第22話 美しい女は全てお見通し
その頃には彼の戦闘が全て終わっていた。
「そろそろ終わったかい、ユー・ユー? こっちは片付いたよ」
青年姿の彼は新調した丸いテーブルの上に立ってカメラを前に会話していた。
ユー・ユーからの返答が帰ってくる。
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「ふふふ、私も今終わったわ。あっけなかったわね、異世界稼業も」
「すごいっす、本当に全員倒しちゃったっす……」
ミーティアが唖然とする。目の前の忍びたちは瞬く間になぎ倒され、吹き飛ばされ、叩きつけられた。その拍子か大広間から外壁までを打ち抜く大きな穴が空く。
その攻撃の立ち振る舞い、原理、回数、全てが目に追いきれなかったが、ユー・ユーが強すぎることだけはわかった。
その場にエクレツェアの医療班が駆けつけ、紺色で凛々しい長髪の女医が医療器具と手のひらの魔法陣を駆使して、アカリの処置を素早く終えた。
「おい、処置を終えたぞ、ユー・ユー」
「ありがとう、アリーア」
そこへ誰かが走ってくる音が聞こえる。次の瞬間には血だらけのお鷹の胸が現れる。
「アカリ様ご無事でしたか!」
滴る血からかなりの深手が窺えた。
「ええ、無事よ」
ユー・ユーが日本刀を手で弄びながらそう答えた。あたりを手で指し示して敵の全滅を知らせる。
お鷹の胸はようやく一息ついて、一安心した。
「やはり、あなたがたにお願いして良かったです」
だが、ユー・ユーはわかっていた。アカリが気絶しているのを確認して、お鷹の胸に告げる。
「うふふ、ですがまだ終わっていませんよ。このままでは帝位を取られてしまいます」
「はぁ……はぁ……一体なんの話ですか?」
お鷹の胸の表情が曇る。
すると、ユー・ユーはにっこり笑って、
「ふふ、いいですか? よく聞いてください。実は初代女皇帝にはもう一人子孫がいたんですよ。」
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