第百六十二話
通常の生活が戻ってきた。洞窟に戻ってきて数日が経過した。
風呂は作って入っていても、やはり自分の部屋の風呂が一番にきまっている。
「ご主人様。お風呂の準備を致しましょうか?」
「頼めるか?」
「はい」
リーリアがステファナとレイニーを連れて、風呂の用意を始める。
この間に、少しやっておく事がある。
「アズリ!」
「はい。旦那様」
アズリも、ステファナとレイニーに習って、シロを奥様。俺を旦那様と呼ぶことにしたようだ。最初は、シロを聖女様と呼んで居て、改める事から始めたのだが、なんとか問題ないレベルまで落ち着かせる事ができた。
// 名前:アズリ・フェデリーゴ
// 種族:ヒト族
// 年齢:26歳
// 称号:シロ・ヴェネッサ・ヴェサージュの眷属
// 固有スキル:魔物核生成(レベル3)
// 固有スキル:眷属召喚(レベル1)
// 固有スキル:憑依(レベル1)
// スキル枠:鑑定
// スキル枠:---
// スキル枠:---
// スキル枠:---
// スキル枠:---
// スキル枠:---
// スキル枠:---
// 体力:D
// 魔力:D
洞窟にたどり着いた時のステータスがこうなっていた。
見た目がエルダー・リッチではなくなったから、ヒト族に偽装している。年齢も偽装できそうだったので、偽装している。
「そう言えば、アズリ。エルダー・リッチの寿命?は、どのくらいなのだ?」
「さぁ?私もエルダー・リッチになったのは、ダンジョン・コアのティリノと一緒になってからですからわかりません」
「そうか、300年近くは生きているようだし、気にしてもしょうがないのかな?」
「多分、そうだと思います」
「わかった、お前も俺やシロや他の眷属と一緒で、ある程度したら隠居決定だな」
「はい。お供いたします」
スキル眷属召喚を試させた所、アンデッドやゾンビなどが召喚された。
なぜ使わないかと聞いた所、”かわいくないから”だと言われた。まぁそうだな。
スキル憑依は、言葉の通り憑依して操作する事ができる。意識が無い状態だとなんでもできるという事だ。
実験区の者たちとの相性はばっちりという事だ。今度、実験区に連れて行ってみても良いかもしれない。
スキル魔物核生成で、ゴブリン/オーク/オーガの上位種と進化体しか出していなかった理由も判明した。
ティリノが、そうさせていたからだ。本人は、可愛いモフモフが良かったらしいのだが、弱そうだし、ダンジョンに似合わないという事で却下されていたらしい。呼び出せるのはアズリがしっかりと認識した魔物だけだと言っていた。
微妙に使い勝手が悪そうだが、スキルカードも魔核も落とす魔物が生成できるので、金の卵を産むニワトリ程度には重要な事なのだろう。
魔の森から帰って確認したのだが、収支的には赤字だが、大量のスキルカードと魔核が手に入っている。特に、低レベルの魔核は使う場面が増えているので嬉しい。
そして、アズリにはシロの従者兼相談役兼眷属筆頭になってもらう事が俺の中で確定している。
シロとアズリが相談して、俺の眷属にもなれないかと相談してきて、試しにやってみた。シロの眷属化を解除しない状態で、俺からの眷属化を受け入れさせた。シロとの繋がりを維持できたままアズリが俺の眷属になった。
二重契約ではなく、シロがファーストで俺がセカンドだということのようだ。眷属化ができたので、問題ないとしておこう。深く考えると、いろいろ調べたくなってしまう。
カイやウミやライとの会話の問題や、命令系統維持のために、アズリにも念話を固定する。
従者と言ってもエルダー・リッチの特性を活かして、攻撃系に特化する事が決まった。
ステファナとレイニー達と違って魔核の吸収ができるので強化計画が立てやすい。
オリヴィエやリーリアを強化した時とは魔核の在庫量も違っている。
それに、シロの初めての眷属で従者なのだ、アズリの生前の姿にも強いこだわりがあるようで、小さい女の子の姿から変わろうとしない。シロの護衛を任せるのにそれでは困ると説得した。
フラビアとリカルダをシロが慕っているのを見て決心したようだ。フラビアとリカルダよりは少し年上に見える状態で落ち着いたようだ。
姿が確定するまで3日掛かった。
やっとスキルを付与できる。
「アズリ」
「はい!」
魔核の吸収を始める。
念話は、レベル5魔核につけている。呼子は、同じような権能を持つ召喚があるので使う必要はなさそうだ。
爆炎/爆岩/爆水を一つの魔核に固定した物を吸収させた。
結界/障壁/防壁も同じく一つの魔核に固定した。
超向上系と半減系と超低下系も付与して、状態異常系も全部付与した。詠唱破棄は、種族特性でできるという事なので、排除した。即死と地図と遠見も調子に乗って吸収させた。
レベルの低い攻撃を行う事ができるように、炎/水/岩/風/氷/雷も付与した。
シロについていてもらうのに妥協なんてしてられない。
// 名前:アズリ・フェデリーゴ
// 種族:イリーガル・デス・エルダー・エンペラー・リッチ
// 年齢:26歳
// 称号:シロ・ヴェネッサ・ヴェサージュの眷属/カズト・ツクモの眷属
// 固有スキル:魔物核生成(レベル3)
// 固有スキル:眷属召喚(レベル1)
// 固有スキル:憑依(レベル1)
// 固有スキル:吸収(レベル1)
// スキル枠:鑑定
// スキル枠:超向上系
// スキル枠:半減系
// スキル枠:状態異常攻撃
// スキル枠:状態異常耐性
// スキル枠:即死
// スキル枠:地図
// スキル枠:念話
// スキル枠:遠見
// スキル枠:爆(炎/岩/水)
// スキル枠:弾(炎/岩/風/氷/雷)
// スキル枠:結界
// スキル枠:障壁
// スキル枠:防壁
// スキル枠:炎
// スキル枠:水
// スキル枠:岩
// スキル枠:風
// スキル枠:氷
// スキル枠:雷
// スキル枠:体調管理
// 体力:D
// 魔力:A
種族も、せっかくヒト族に偽装したのに、種族進化に成功して種族が表示されてしまった。
種族が意味不明なのだけど?
まぁヒト族に偽装して問題ないよな。
スキルも偽装で隠しまくってしまえばいい。
固有スキルが一つ増えている。進化したときに取得したのだろうか?
// 固有スキル:吸収(レベル1)
生命力を吸収して、アンデッド化する。アンデッドは、眷属となる。
一度に吸収できる生命力はレベル依存になる。吸収した対象は、魔物核生成/眷属召喚で使役する事ができる。
実験が必要なスキルだな。
チアルダンジョンで実験をしてみよう。
シロとアズリと話をしながら、偽装する項目を検討した結果
// 名前:アズリ・フェデリーゴ
// 種族:ヒト族
// 年齢:22歳
// 称号:シロ・ヴェネッサ・ヴェサージュの眷属/カズト・ツクモの眷属
// スキル枠:鑑定
// スキル枠:---
// スキル枠:---
// スキル枠:---
// スキル枠:---
// スキル枠:---
// 体力:F
// 魔力:E
となった。年齢をまた微妙に下げたのは、アズリがこれだけは譲らなかったからだ。
本当は、19歳とかいい出したのでそれは却下できた。256歳が19歳はさすがに許せない気分になったからだ。22歳でもかなりなのだし、姿形も変えられる事から、その時々で見えるようにするスキルを変えてもいいのだろう。
アズリの部屋は暫くはログハウス内に用意する事が決まった。
風呂の準備はかなり前に終わっているようなので、今日もシロと2人で入る事にした。
あまり、アズリばっかりかまっていると、可愛く拗ねるのが愛おしい。
風呂に入って、部屋に戻ると、スーンからの連絡が入る。
休暇が終わったという事だろうか?
『どうした?』
『お休みの所申し訳ありません』
『いや、かまわない。それよりも、何か有ったのか?』
『いえ、明日からのご予定の確認と、全体会議のお打ち合わせと、魔の森から退避させた魔物たちの処遇に関してのご相談です』
いろいろ詰まってきそうだな。
『明日からは通常状態に戻ったと思っていいぞ。昼前には、ログハウスか迎賓館に行く』
『かしこまりました』
会議は、例の全体会議だな。
各区とSAやPAから代官たちが集まるのだな。魔の森が支配領域に入った事を話すには丁度いいな。暫くは、直轄領にしておいて状況が安定してきたら、代官を置いて任せるようにしたい。
ロックハンド港の事は、ルートガーとスーンを交えて相談だな。
魔の森からの退避させた魔物たちは、もうかえしても問題ないよな。
ティリノは俺の眷属となった。
ペネムと同じ立場だ。シロに渡す事も考えたのだが、シロから固辞された。使い切れない上に、俺が持っているのがベストだという意見だ。
ペネムも俺が常に持つことになった、クリスとルートガーにはダンジョンを操作する権限を与えたダンジョンのサブ・コアを渡しているので大丈夫という事だ。最上位権限はやはり俺が持つべきだという事だ。ルートガーとクリスにも相談したが、ペネムの意見が正しいという事になった。
ペネムとして譲れない事が有るようだ。
ティリノが俺と一緒に行動するのが許せないらしい。それに、俺だけではなくカイやウミやライやアズリから漏れる魔素が心地よいのだと話している。何が違うのかは説明してくれなかったが、一緒に居たいの一点張りだった。
両方共、イヤーカフスの状態になってもらって、右耳につける事にした。
同じデザインの物を作成して、シロの右耳にもつける事にした。
魔の森の魔物から意志有る者には後で会うことになった。
シロの眷属候補がいたら嬉しい。シロの眷属枠を調べたら、4つの枠が有るようだ。
何に依存しているのか一切わからないが、枠が4つあって一つがアズリと契約しているので、後3つだ。シロは、スライムとモフモフと言っているがどうなるのやら・・・。
『詳細は、明日ログハウスで聞く』
『かしこまりました。大主様』
スーンとの念話を切ってから。
ベッドに入って休む事にした。
シロが先にベッドに入って待っている。
俺が布団に入ると、シロが抱きついてきて、可愛く”おやすみなさい”と言ってから目を閉じる。
おでこに軽くキスをしてから、”おやすみ”と返してから俺も目を閉じる。シロの体温を感じながら、いつの間にか寝てしまった。
---
アズリに起こされる。
ステファナとレイニーとオリヴィエとリーリアと話をして決めたようだ。側付きをローテーションで行うようだ。全員が居ても困るという意見が採用された結果だ。オリヴィエは、従者筆頭という事でローテーションには加わらない。俺との連絡係のような感じになる。
今までスーンが行っていた事だ。
プライベートな事は、オリヴィエが管理を行って、行政に関わる事がスーンが行う事になる。
暫くは、アズリは見習い扱いになる。
明日から暫くは、カイとウミとライと一緒にダンジョンでの戦闘訓練を行うようだ。
特に、スキル周りの調整や実戦での訓練を行う事になっている。
俺とシロは、スーンが待っているログハウスの執務室に急ぐ。
時間を約束しているわけではないが、スーンの事だから、早めに来て待っているだろう。待ち時間を短くする意味もあるが、待たせていて急がないのは気持ちが落ち着かない。
「大主様。お疲れ様でした。魔の森が鎮静したと報告が来ています」
「そうか、魔物たちの移動は任せていいか?」
「はい。それに関する事ですが、フォレスト・フォックスの一部とフォレスト・イーグルの一部とフォレスト・アウルの一部が、チアルダンジョンに残りたいと言っています。また、できれば大主様にお仕えしたいと言っています」
「
「いえ、通常種です。フォレストを付けていますが、魔の森産まれだというレベルです。種族の固有スキル以外は持っていないようです」
「わかった。シロ。どうだ?会ってみるか?」
シロが欲しがっていた眷属にぴったりだろう。
スライムに関しては、ライがいるので、ライの分身体を付ければいいと思っている。
モフモフの条件には有ってくると思うのだけどな。
「僕、会ってみます」
「スーン。手配を頼む」
「かしこまりました」
これで、決まればシロの眷属もほぼ決まりだ。
どれか二体を眷属できればいい。残りの一体・・・できれば、梟を俺の眷属にする事を考えよう。
シロの残りの1枠は、ロックハンドができた後で使う事を考えている。
海の魔物を眷属化しておく事を考えなくてはならない。
「スーン。それで、代官はどのくらい集まりそうだ?」
「ゼーウ街と港を除く全ての代官が集まります」
「おおごとだな」
「はい。しかし、大主様が魔の森を攻略された事で、チアル大陸の全域が大主様の物になりました。代官たちも今後の事が気になるでしょうし、大主様に拝謁する機会を逃すとは思えません」
「拝謁って・・・。違うだろう?」
「いえ、違いません。彼らからみたら、拝謁なのです。代官の権力は、大主様から委任されているからこそなのです。その大主様が偉業を成したのです。集まるのは当然の事です」
なんだか、スーンが熱く熱く語ってくれている。
そういうものかと思って納得しておく事にしよう。
「わかった。わかった。会議は、来週でいいのだな?」
「はい。大主様のご都合をおっしゃっていただければ、それに合わせさせます」
なんか、違うように思えるが、これがここでのやり方なのだろう。
「そうだな。全員が集まるのはいつだ?」
「遅くても、3日後です」
「わかった。それでは、7日後に開催する。それまでに各区とSA/PAの現状の資料をまとめておいてくれ」
「かしこまりました」
「それから、会議までの間、希望者を連れて視察に出かけてくれ、フードコートやダンジョン内の街を中心に頼む」
「かしこまりました」
細かい指示を出してから、スーンが退室していった。
シロと一緒にチアルダンジョンに向かう。アズリとカイとウミとライとエリンを連れて、眷属探しに出かける事にする。
小動物がいたらもっと良かったのだけどな。リスとか・・・兎とか・・・。完全にペットになってしまうだろうけどな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます