エピローグ または264-1

世界を渡ると、そこは不思議な世界だった。

いや、これまでも不思議な世界はたくさんあったけれど、一際不思議だったのだ。

見たことのないものから、見覚えのある、それこそ今までの世界をバケツでぶちまけたような、本当に色々とあるのだ。

「ここに・・・本当に・・・?」

どこか気持ち悪さを覚え、しかし、探した上でここに来ていることを思い出し、それを飲み込む。


スーゴが言うには、見た目だけならば私と同じだが、認識する手段があるらしい。

見渡してみても、人は多く、なかなか時間はかかるかもしれない。

けれども、時間の伸びた私には、いくらでもかけられる。

ふと、スーゴを見ると、驚いた顔をした女性と見つめあっていた。



私達が世界を渡ってから、幾年と経った。

彼らと別れて。

置いていってしまった彼らには申し訳ないと思うけれど、今の私は心か惹かれてしまっていた。

この世界はとても不思議で。

今では私たちの色も見せている。

私達のように世界をながれ、いずれ至る。

それはまるで最果ての世界だけれども。

私の世界はここだって言える。

ただ気にしてたのは。

彼らがどうなるかだけで。

いつしか記憶の隅へと追いやっていた。

だから。

彼を見た時、驚きを隠せなかった。

もう会えることはないとさえ思っていた彼らの一人。

Sent the Wards to Guild。

スーゴが、目の前にいたのだ。

その時の私は、片隅にいた罪悪感が、大きくなって私を覆うのを感じていた。

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