第12話 または263-4

「それじゃ、そろそろ調整は終わるよ。」

この世界も見て行くといい、と彼は言った。

ただ、持っていくことは勧めないとも。

なら私は、敢えて見ないことを選ぶ。

だって、そうすればもう一度この世界に来る楽しみが出来る。

そう言うと、彼は苦笑してた。

「それで、選んだかい?」

「・・・スーゴの住民がいる、スーゴのいた世界じゃない所。」

「ミノア、それは・・・」


「約束だから、ね。」


「いいだろう、少しだけ、時間をくれないか?流石に探さないと特定もできないし。」

もちろん、問題ない。

「ミノアは元の世界に戻りたくないのか?」

スーゴの問いに、首を振る。

「何よりも私に大事なのは約束。ほとんどの約束が達成できてないんだから、まずは相棒のあなたからだよ」



聞いてるだけだが、やはりいいペアだと思う。

できれば混ざりたいとも。

だから、スーゴにだけ伝えた。

いずれ来たる未来を。

いずれ私は・・・。

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