第11話 または90-3
聞いた話は、どれも傍若無人、あるいは頭痛のしそうな、まあ私に痛覚は存在しないのだが、そんな話ばかりだった。
飼育している者の力を借りる。
それならば何ら変には思わなかっただろう。
飼育している者の力だけで宇宙へ乗り出そうとしているのだから。
いや、あるいは当然の考え方とも言えるのか。
かつての記録ではそうした実験もまた行われていたのだから。
不思議なものだ。
大きく異なることがあるにも関わらず、大きく異なっていないのだ。
ふと、気づく。
彼女がなにかをじっと、見つめていることに。
それは石のようで。
それは木のようで。
あるいはそれは生き物だったもののようで。
しかし彼女の顔を見て。
スキャンすることはやめた。
懐かしさと、嬉しさと。
悲しさの混じった、そんな表情。
それを邪魔立てしない。
そしてそれは、切り替わるまで、
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます