第6話 または75-1
気づけばまた、私は別のところにいた。
それ自体はもう何度目になることだろう、流石になれてもくる。
今度はどんな世界なのか。
周囲を見渡すと高いびるやまんしょんが聳え立っている。
何度目かの世界で似たような世界はあったから、真新しさはなかった。
でも、ふと気づく。
・・・人が居ないのだ。
そうして町並みを眺めていると、大きな音が鳴り響いてきた。
確か、ぶざー・・・だったかな。
その音がなると、一斉に人々が建物から出てくる。
彼らは、なんて言ったか、そう、ろぼっとのような姿をしていた。
「おや、珍しい。もしかして君は人間ではないかな?」
そうして人々を眺めていると、どこかくぐもった声で話しかけられる。
そちらを向くと、なんというべきか、周囲の他の人と比べて少し大きい、青い人がそこにいた。
「ふむ、少し君のことをサーチしても構わないだろうか。」
さーち・・・索敵だったか、そう問いかけると彼は笑っているような声音で。
「ははは、なるほど、ああ、すまん。君を笑った訳では無いよ。サーチという言葉自体はその意味でもあるだろう。」
「だがここでいうサーチとは君の体を調べさせてくれないかという事だ。ああ、変な意味は何も無い。この場でできる程度のことだからな。」
痛いことはしないかと問うと、一瞬呆気に取られ、そしてまた笑い出した。
「我々の神と等しいであろう人間である君にそんな真似をすることは無いさ。君に信頼されるかはわからないが、我々の神に誓うことにしよう。」
「ふむ、君はなかなかどうして、大変な状態にいるみたいだね。」
「何がわかったのかだって?君の異世界転移、不老不死性と言ったところか。」
「驚いているようだね。ただ、君にはすまないが我々からすると異世界転移がはっきりと言って羨ましい。」
「そうだな、君のこの世界にいられる時間はまだまだ十分にある。君に対する説明と提案、そしてお願いをしたい。」
「そのために少し、場所を移動しようか。」
そう言うと彼は歩き出す。
「そうだ、君の名前を聞いてもいいだろうか。私は個体ID、君の認識では名前と思ってもらって構わない。Seek the Way to Gods。是非ともスーゴと呼んでくれ。」
「私は─────」
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