第4話 または22-4

『・・・のため、現在少女の行方は解っていません。目撃した方は以下の番号にお知らせください。・・・続いてのニュースです。』


 少女は今、世間を一番賑わせている存在であろう。

 突如現れ、そして消えてしまった。

 加工動画と言い張るのは簡単だ。

 しかし、彼女が現れたタイミングがやはり問題で、皆既日食のリポート中だったのだ。

 そして、複数の局が映していたのだから。

 昔から騒がれていた超常現象。

 意図がなんなのか、なぜ行方がわからなくなるまでほとんど情報が出なかったのか。

 今世紀最大のミステリーと言えるだろう。


 ・・・そうだ、ここに秘密結社の存在をほのめかそう。

 そうすれば・・・よし、予言の日と噛み合わせることができるな。

 なら、そこに真実味を持たせるなら・・・ふむ、こうだな。

 よし、記事にして、と・・・



 あとは見出しか・・・

 『突如現れた少女、消えたあとに残された秘密とは!?』

 ・・・まあこれでいいか、あとで変わるかもしれんからな。

 流行にのり、文章を作る。

 これをこなすだけで金が入る。

 ああ、なんて素晴らしい仕事なのか。

 消えてくれたおかげでこっちは作りやすい。



 檻のなかで育てられた愚者は、道を進む。

 だが、愚者は愚者、されど気付かぬ賢人であり。

 それこそが

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