第3話 または24-2

「ここからが本番ってところか・・・」

 少女が特異界層存在点から現れた所を奴らは狙ってやがる。

 あの嬢ちゃんに何があるかはわかんねえ。

 ・・・それでも、助ける事に理由なんて一つだけだ。

「見捨てちまったら、気分が悪いんだよ!」

 帝国ヒルナトシカの機怪どもがどれだけ居た所で俺のやることは変わらねえ。


 ”殴って、吹き飛ばす。”


 だが、今回はそれが・・・出来なかった。


 少女が、動いた。


「おいおい、冗談だろ・・・?」

 それは例えるなら、台風だった。

 少女の周囲を、風が舞う。

 それによってふきとばされ、あるいはコマ切れにされた機怪たち。

 しかし、少女に風は、襲いかからない。


 暫くそれを眺め、機怪たちもいなくなった頃、少女が目覚め、こちらを向く。

 ・・・はっきりいって、化け物にしか見えない。

 だが、調査に来たんだ。去る訳にはいかない。

 意を決して、少女に語りかける。

「・・・なあ。嬢ちゃん」

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