第1話 または12-2
「まったく、人って本当に愚かだよね〜」
そんな事を言いやがる友人の、頭を叩く。
「バァカ、なーに達観してる体を装ってんだよ。」
「むう、これだってボクなりのジョークってやつだよ!?」
そんな事を言いやがるもんだから、再度頭を叩く。
「アイタッ!もう、そんな強く叩かなくたっていいじゃんか!」
「お前を直すための手段だろ?気にすんな」
なにも、こんなじゃれ合いが唐突に始まったわけじゃなかった。
「・・・ねえ、結局タカトは自殺、しちゃったの?」
認めたくないことがあっただけなんだ。
「・・・らしい。あいつは・・・ずっと調べてたみたいだ。」
「調べてたって・・・あの子のことを?」
「ああ。」
タカト、俺とこいつの友人で、小さい頃から4人で遊んでいた。
「でもさ、やっぱりわからなかったんでしょ?警察だって手を尽くしてただろうし・・・」
「ああ、そうかもしれない。・・・でも、俺にはこうも思えるんだ。」
この考えが思いつくなんて、突拍子も無いことは理解している。
「もしかしてタカトはさ、理解させられちまったんじゃないかって」
「理解?」
「ああ。どうやってやったかとかはしらねえぞ?俺の想像だ。ただな。」
「どんな手を用いても、彼女を取り戻せないってことに・・・さ。」
それがこいつにどんな気持ちを抱かせたか。
他人である俺には、やっぱり想像しかできない。
それが少し、腹立たしかった。
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