第4話
お兄さんとのお勉強はだいぶ進んだよ。
最初はゆっくり走るのも息が切れてたけど、今じゃだいぶ頑張れるようになったんだ。
毎日お勉強してて、お兄さんの言うこともだいぶわかるようになってきたよ。
それでも、まぶしいおじさんはまだまだだなあって顔をしてボクを見るんだ。
おじさんがそう言うなら、ボクはまだまだお勉強しなきゃいけないんだろうね。
今日はタッカーくんと大きな建物の中でお勉強したんだ。
グルグル回るだけかなあって思ってたら、奥になんだか見慣れないモノがある。
お兄さんが背中の上で「これがゲートだよ」って教えてくれた。
ゲート?
ゲートってなんだろう。
扉がついてるね。ここで何するんだろう?
お兄さんはボクをゲートの方に連れて行く。
余裕で通り抜け出来るくらいには広いんだね。
ここを通り抜けたらいいのかな?
それなら出来るよ。
今度は隣の狭い方に行くの?
なんか狭くて嫌だなあ。
でも通り抜けは出来るね。大丈夫。
え?
この狭いとこでじっとしなきゃいけないの?
扉も閉まるの?
うわぁ嫌だあ……。
なんだか怖いし、ダッシュで出たくなっちゃうよ。
きっと、変な顔になってるなあ。
タッカーくんなんて、ゲートの前で「嫌だー!」ってバックしちゃったよ。
これに慣れないと競馬場に行けないんだろうなあ。
大変だなあ……。
お勉強が終わったら部屋に戻ってのんびり。
もちろんご飯は完食したよ。
今日のお勉強は覚えること多かったから、少し復習してるんだ。
ゲートは狭いし怖い。
でもゲートを覚えないと競馬場に行けない……。
頑張らなくちゃだよねえ。
ついため息が出ちゃう。
ここにいるのはほとんど同級生ばっかりなんだけど、お勉強の進み具合とかで卒業はみんなバラバラ。
早い仔たちはもう卒業して競馬場に行ってるみたい。
ボクはいつになるんだろう。
もしかしたらずっとここにいなきゃいけないのかなあ。
それだと畑出来ないじゃん。
それは嫌だなあ。
畑やって、おいしいご飯いっぱい食べたいよ。
そんなことを考えてたら、隣からフェアリーちゃんの声が聞こえてきた。
誰かとお話してるみたいだね。
邪魔しちゃいけないから声はかけないけど、いつか仲良くなれたらいいなあ……。
あれ?
お兄さんがボクを部屋から出してくれるの?
今日は蹄のお手入れの日だったんだね。すっかり忘れてたよ。
遠くからわざわざボクたちのために専門のおじさんが来てくれるんだよ。
じっとしてなきゃいけないのはあまり得意じゃないけど、終わるとさっぱりするからね。
新しい蹄鉄つけてもらったら、なんかやる気出てきたな。
明日はどんなことをするんだろう。
今からなんだか楽しみだよ。
じゃあ、おやすみなさい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます