第3話
お腹のラッパはすっかり良くなったよ。
お姉さんがきちんと診てくれたからね。おかげでボクは絶好調。
今日もタッカーくんとお勉強だよ。
お兄さんを乗せて、大きな坂の下にやってきた。
今日はこの坂を登るのがお勉強みたい。
「すごい坂だねえ。ボク大丈夫かなあ……」
タッカーくんはすこし怖がりで、坂を見てびっくりしてる。
ボク?ボクは大丈夫だよ。
むしろ、坂を見てやる気になったんだ。
絶対駆け上がってやるんだよ。
お兄さんの合図で坂を登る。
一気に登りたいのに、お兄さんは手綱でまだまだって言ってくる。
これがお勉強なんだろうなあ。隣のタッカーくんはなんだかきつそうだ。
ボクも少しきついけど、まだまだ頑張れるよ。
上を見れば、まぶしいおじさんが見えた。
そこ、危なくないのかな。
お勉強が終わってシャワーを浴びたらいつものご飯。
今日はお姉さんがご飯を持ってきてくれた。
お勉強の後のご飯はおいしいよね。ついつい桶をガコガコさせてしまうんだ。
周りのみんなもガコガコさせてるし、いいよね?
ご飯を食べてると、まぶしいおじさんが様子を見に来た。
おじさん、ここで一番えらい人らしい。
お兄さんやお姉さんはおじさんと話をしてからボクらのところに来たりする。
たぶん、えらい人なんだろうね。
ここにはボクら馬とお兄さんたちの他に、猫が2匹いるんだ。
ネオって子とわかめって子がいて、いつもボクらの部屋の前を歩いてる。
ネオはおじさんになついてるんだけど、わかめはあんまりおじさんの言うことを聞かないんだ。
今日もおじさんが「わかめー」って呼ぶんだけど、わかめは振り向きもしない。
わかめも少し相手してあげたらいいのになあ。おじさん寂しそうだよ。
ご飯が終われば今日も窓から顔を出す。
隣を見れば、かわいい仔が見えた。
あれがフェアリーちゃんかあと思ってたら、すぐにフェアリーちゃんは引っ込んじゃった。
なんか、ボク、すごいドキドキしてるよ。
窓を見ながら考えたんだ。
この間の畑のこと。
よその畑じゃ勝手に入っちゃダメなんだって。
畑のあるとこから来てる同級生が教えてくれた。
じゃあ、自分で畑作るのがいいのかな。
そうだ、自分で畑やればおいしいの食べ放題だよね!
いっぱい頑張って畑やろう。うん、そうしよう。
お向かいじゃタッカーくんが横になっていびきかいてる。
今日もいっぱいお勉強したもんね。
ボクも少し眠くなって来たなあと思ってたら、お兄さんが遊びに来てくれた。
お兄さんはいっぱい遊んでくれるから大好きなんだ。
他のお兄さんも相手してくれたりするけど、このお兄さんは特別だよ。
お兄さんに教わったことを早く競馬場ってところで見せたいなあ。
え?
まだダメなの?もっと教わることいっぱいあるの?
じゃあもっとお勉強頑張らなくちゃいけないね。
明日も早起きだからもう寝るね。
おやすみなさい。
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