第79話 遠距離恋愛
ミズキくんが「好きだけど別れる」と言ったのには、私に男性の影が見えたからだと思う。
私はミズキくんとしか付き合って無かったし、もちろん好きだった。
けれど確かに仲が良い男性もいたのだ。
その男性ともFで出会い、ミズキくん以上に近くに住んでいたのでお茶した事もあった。その男性アキラさんとの事をミズキくんは疑っていたんだと思う。
ミズキくんから別れを告げられる前に私はFの大規模なオフ会に参加していた。
そのオフ会でたまたま会場でセッティングされた席が、アキラさんの隣だったのだ。
私は何もやましい事も無いし、他のオフ会に参加する時と同じようにその模様を日記にしてFにあげた。
それを読んでミズキくんは私と別れようと決めたのかもしれない。そんな風に感じられた。
でも確かにミズキくんの嫉妬は正しかったかもしれない。
私はミズキくんと別れてフリーになった後、ずっとアキラさんに片想いする事になるのだ。だけど片想いと書いたように、私の事は友達以上の何者でも無いと言ってフラれちゃったんだけどね。
ミズキくんのとの事とアキラさんにまでフラれた事がショックだったし、昔みたいに積極的に次に行こうという気にはならなかったが、同じくFで友達になった男性と遠距離だけと付き合っているような雰囲気になった。
その男性、一夫さんは年上で在来線で3時間ぐらいかけて会いにきてくれる人だった。
一夫さんと初めて会ったのは数ヶ月前のFの大規模バーベキューで、その前からF内ではやり取りしていたから挨拶は交わしたんだけど、そのバーベキューにはミズキくんと行っていたから(当時はまだ付き合っていた)他の男性とはあまり話せなくて、でも正直に言うと私、一夫さんに一目惚れしていたかもしれない。
私にはミズキくんがいるんだからと、その想いを打ち消していたけれど後からその時の事を思い返してみると、やっぱり一夫さんが気になっていた。
そんな一夫さんから、ミズキくんと別れた後にアプローチされたら断れない。
でも一夫さんとは不思議な遠距離恋愛になるのだった。
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