第80話 私自身もよく分からなかった時期
一夫さんは会いにきてくれた時には、行った先々のお店の人に私の事を「彼女です」と紹介していたが、会っていない他の日は本当に付き合っているのかと思ってしまうほど素っ気なく連絡が少なかった。
まるで既婚者かのように。
けど一夫さんが独身であるのは確かだ。
そういった感じで一夫さんは2〜3ヶ月に一度会いに来てくれていたが、あまりに普段が素っ気ないので私ものめり込みすぎてはいけないのでは無いかとすら思ったのだ。
そして離れている間に、一夫さんからも気持ちが離れて行きそうになったのは、フラれたはずのアキラさんのせいだった。
アキラさんは友達以外の何でも無いと言ったくせに、事あるごとに私を誘ってくれて遊びに行ったり食事に行ったりした。
二人っきりではなく、F関連のオフ会に一緒に参加するとかFの友達に一緒に会いに行くとかなのでデートでは無い。
だけどさ会えばやっぱり、好きな気持ちがわいてしまうんだよね。
Fが始まって半年後、私も別のSNSで出会った人からMの招待状をもらいMでも活動するようになっていた。
一夫さんと付き合っていたのは、Mに登録して五ヶ月ぐらいした頃だったと思う。
MでもFの時のように色々な人と交流していた。信用性を高めるために本名、顔出しをしていたが(今もしている・笑)そのために男女問わず、向こうから私に友達申請をしてくれる事やメッセージをくれる事があった。
そしてそれを私はほとんど断らなかった。
だからある日、若い女の子が友達申請をしてきて
「ピューレラさんと誕生日1日違いなんです」
なんて言ってきたら、警戒するわけが無い。
だけどね、その子は人懐っこそうに話しかけてきたと思ったらいきなり驚く事を言ってきたのだ。それは……
「一夫さんって知ってますよね?私、彼と付き合ってたんですけど、別れた方がいいですよ」
と言ってきたのだ。
その子が本命の彼女だから、私には別れてくれって事なんだろうか?と思っていたら
「一夫さん、私やピューレラさん以外にも付き合ってる人いるんです。しかも別の人を妊娠させたんですよ、それで結婚するそうです」
などと言うのだ。
はい?私、何も一夫さんから聞いてないけど。
とにかく事情を一夫さんから聞かないとと思い、一夫さんに連絡したがどの媒体からも返事は無かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます