恋愛波乱期編

第54話 新しい暮らし

私の埼玉暮らしの後始末のためにお金がいるという事で

ターロは働き始めた。


50代になるまで、ほとんど仕事をしてこなかったターロが

アルバイトであるが、いやアルバイトだからこそだろうか

働き始めるというのは凄い事だった。


前に知り合いの不動産の手伝いをする仕事はした事があるが

毎日、同じ時間に仕事にでかけていき

お給料をもらう仕事は初めてだ。


そんなターロの行動に嫉妬しながらも、喜んだ母。


私も仕事を始めた。



みーたんの代わりに、プリッツさんが

うちに電話をかけてきたが、私は出る事なく

ターロが話をした。


みーたんは怒ってないからと言っていたらしいが

それでも話をする事が出来なかった。


なのに、マインドコントロールが抜けそうな時の感覚なのだろうか?

ふとした時に、みーたんが恋しくなるのだ。


やっぱり戻って謝ろうか、一瞬そう思うも

そんなの無理だと気がつく。



仕事を始めて数ヶ月経った頃、同期の子に合コンに誘われた。


私みたいなデブが行ったところでと思っていたし

まだ男性と付き合いたいとは思わなかった。


ところがあるラジオのファンの集いには

友達も作りたくて行ったところ、帰りがけに一人の男性から話しかけられ

連絡先を交換する事になった。


友達として毎日のようにメールするように。



4つ年下の彼はグイグイくる人で

深い話も出来る人だった。だから私は隠す事なく

みーたんたちとの暮らしの事も話したし

ターロの事も話した。


結婚しようとも言ってくれた。


だけど、彼はとても短気な人で

私からしたら、ちょっとした何でもないような事で

急に激怒するような人だった。


みーたんとの暮らしの経験もあり、もう怒る人は嫌だった。

嫌だったのに、甘い言葉で私を口説いてくる彼に私は優しい言葉をかけ続けた。


そんなある日、冬の雪が降るような時期だったと思う……


夕方から夜勤の仕事に出かける彼に

雪の中、車の運転気をつけてねというような事をメールしたら


「免許も持っていないような奴に言われたく無い!」


と激怒し、さすがに私はこんな人と付き合いを続けられないと思い

別れようと話したのだった。

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