第55話 出会い系開始
別れ話をした翌日、彼は今から死ぬと連絡をしてきた。
私と別れたら、もう生きていてもしょうがないと言う。
けれど私はそれに対して
「私みたいな奴のこと、本当は嫌いなんでしょう?だから見下して怒ったりするんだよね?私は正人(その彼の名前)の事好きだけど、あんなに嫌われてたら側にいるわけにもいかないから遠くで幸せを祈っているね。死なないで私よりずっといい人を見つけてね。正人ならそういう人を見つけて幸せになれるはずだから、さようなら」
というような事をメールした。
自殺するなんて嘘だと思っていたのもあるが、私は腹黒いので
こっちは心底想ってるけど、そっちは嫌いなんだから仕方ないよね
みたいな感じにしたのだ。
みーたんとの傷が癒えていないのに
泥沼にはまる気は起こらなかった。
そして、みーたんと同じ四つ下というのも気に食わなかったのだった。
そこで「当分、男なんていらない」と思わなかった私は
ネット恋愛にどんどん突き進んで行く事になる。
まずは携帯の友達探し、みたいな
まぁ出会い系みたいなサイトに登録したのだ。
みーたんの事も正人の事も忘れたかったんだと思う。
この時、29歳ぐらいだった
昔から歳を偽らず堂々と言ってしまう性格だったので
自己紹介欄に年齢も載せた。
確か、デブだって事も正直に書いてたと思う。
なのに女だからだろうか
登録してすぐに大量のメールが届く事になる。
それをさ、選り好みしないで届いたメール全てに返事をした。
だけどね、このやり取りって
その出会い系サイト内のメールボックスでやり取りするものなのよ。
それが面倒でね、すぐに携帯のメールアドレス教えちゃったよ。
全員に。
昔だったからか、出会うためのサイトだったからか
規約違反では無かったんだよね。
ただ、他の人たちは
もっと相手を知ってから、慎重に教えるのが一般的だったみたい。
だからわんさか、携帯にメールが入ってきたんだけど
あまりに多くて、誰が誰か分からなくなっちゃったんだよね。
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