第30話 高校卒業と進路

トリマーか、確かに興味はある。

物心ついた頃から、犬(マルチーズ)と生活してきたので

もちろん犬は大好きだ。


悩んだけれど、じゃあそうしようかなと

三年生の年明けぐらいなんてギリギリ残ろに進路変更をした。


なのに、それからしばらくして母親がまた違うことを言い出したのだ。


「やっぱり専門学校行かせるお金ないわ」


はぁ?この時期にそんな……。


「働いてそのお金で行くというのでもダメなの?」

「働いたら、そのお金は家に入れて欲しい」


そこまでうちの家計は苦しくなってたの?

でももう就職なんて無い時期だよ。学校からは斡旋してもらえないよ。

しかも就職斡旋は就職クラスの子たちが優先的に受けてる。


自分の進みたかった道に進めないショックよりも

今後の進路をどうしよう、どうしよう

という思いでいたら


「就職なんて、その辺にいくらでもあるでしょ」


などと母は簡単に言う。

まだまだ世間知らずだった私は、そうなの?と少しは母の言う事を信じ

進路が決まっていないまま卒業をしてしまった。


就職活動の知識を何も知らない私は高校を卒業して

「とらばーゆ」や「an」などを買ってきて職探しをしていた。

いきなり転職雑誌とアルバイト情報誌かい!と突っ込みたくなるぐらい


この当時の私は本当に何も知らなかったのだ。


けどそんな日々は続かず

母は私を銀玉センターに連れ出したのだ。


18歳になっていた私はもう、堂々と銀玉を弾ける年齢。


就職もしないで、パチプロデビューをしてしまったのだった。

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