第27話 編入試験

2年に上がる前に進路調査があった。

私は入学前から変わらず、上の大学に行くつもりでそう書いた。


そうしたら担任の先生から、2年になったら進学クラスが新しく出来るから

そこに入るための編入試験を受けてはどうか、と勧められた。


確かに今の普通科では、楽だけど大学入試は心配だ。


私はその編入試験を受ける事にして

そのための勉強を始めた。


高校に入る時は、面接と小論文だけだったので

受験勉強もしていない。


この時が私にとって初めての受験勉強みたいなものだった。


この学校には元から進学クラスと

特進(特別進学)クラスというものが一クラスずつある

それだって何で二つも「進学」と名のつくクラスがあるのだろうと思ったが


それだけでは足らず、更に私が編入を目指している

普通科進学クラスなるものが出来る。


特進クラス、進学クラス、普通科進学クラス、なんやねん!

と突っ込みたくなる進学と名のつくクラスの多さと種類だ。


高校受験の際、私は保育科ばかり気にしていたので

進学クラスなんてものがある事を認識していなかった。


けど他の生徒は、将来大学に行こうと思っていたのなら

最初から進学クラスを受験すればいいのに。


新たにクラスを新設するほど進学したいのに普通科に入学してきた子が

多かったの?とちょっと不思議に思ったものだった。


どうやら、他の高校はもちろん

この学校の進学クラスに入れないだろうと思った子たちが

普通科に入学してきたものの、将来の大学進学は諦めきれずに

進路調査では大学進学希望と書いたらしい。


それで学校側としても2クラス急遽、進学クラスを作ることにしたようだ。


2クラスも?と驚いたが

無事に受かり、二年生からは仲の良かった子たちとは離れ

その普通科進学クラス、なるクラスに編入になったのだった。

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