第17話 引っ越し

見知らぬおっさんは、その後しばらくして

私たちの住んでいるところに、ちょくしょく来るようになり

あっという間に、一緒に暮らす事になった。


私は相変わらず、母に執着が無かった事もあり

子どもとして、母に付くよりおっさんに付く方が円満になって良いのでは?

と思い、友達のようにおっさんと仲良くするように。


おっさんは感覚が若い人で

当時発売されたばかりのファミコンを買ってくれて

一緒に楽しんだ。


このおっさん、パンチパーマで

背中に絵のある世界の人かと思わせる風貌をしていたが

意外にインテリで、それも文系で

私との趣味も合った。


そうやって過ごして、私が小学校六年生になっていた頃

突然、引っ越すと母に言われたのだ。


何故、私が小学校六年生なんていう時期に学区外に引っ越すのだろうと

当時は不思議だったが、今にして思うと

多分、我が家におっさんが頻繁に出入りしている事で

ご近所さんに変な噂がたったのだろうと思われる。


それまで仲の良かった近所の友達が

「親にピューレラちゃんと遊ぶなって言われた」と

「けれど私はピューレラちゃんと今までと変わらず遊ぶからね」


と言ってきた事で、やっと私も

ご近所さんがしている良くない噂の影響を実感したのだった。


そして今までの家では、おっさんは週に4〜5日泊まりに来る人だったが

引っ越し先の家では完全に一緒に暮らすようになった。

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