21|『カクヨム』1話の文字数について②
ところで、いま、私が書いてること――
『1話は3000文字ぐらい』『長文だと、集中できない』ということについて、
「たしかに、そうだ!」と思う人と、「いやいや、小説の文章って、そもそも長いものだよ!」と思う人…いると思います。
私もね。文庫本だったら、いくら長くてもいいと思う。
縦読みの、じっくり腰をすえて読むようなものだったら、それこそが至福。
でも『カクヨム』は文庫本じゃない。
縦読み機能はついてますが、どっちにしてもウェブ上の読み物です。
みなさん、どのタイミングで読みに来るのかわかりませんが、ずーーっとヒマを持て余していて、退屈で死にそうな人は、おそらく少ないはず。みんな忙しい人たちです。仕事に、家事に、子育てに――学生さんは学校、宿題、ゲーム、漫画、友だちづきあい…現代人はみんな忙しい。
ちなみに私は出勤まえ、朝活(と呼ぶには遅い時間ですが)11時から13時までの2時間を使って『カクヨム』のチェックと自身の小説のつづきを書いています。
集中できるときは小説に集中し、今日は気分が乗らないなぁ…というタイミングで、人の小説を読みに行くこともあります。
どっちにしても、たっぷり時間があるわけではない。
限られた時間の中で、「あと10分で支度しなくちゃ…」と気にしながらの読書です。じっくり、読んでいる時間などないから「1話だけ!」と思って読む。
そのときに、えらく長い文章に出会ってしまったら…「ああ…もう読めない!この作品はもういいや!」ってことになる。
だから、さくっと読める『ライトノベル』に人気が集中し、1話がえらく短い(逆に短すぎる・笑)文章が「読みやすい」「面白い」となるわけです。
しかし、その傾向は『カクヨム』に限ったことではありません。
いま、出版業界で売れてる本は、絵本、短いセンテンスをまとめた読み物、とにかく、いつでもどこでも、空いた時間にサクッと読める…そういうものが人気なのです。
いま、出版業界は衰退の一途をたどっているといわれています。
とくに、小説は売れません。
娯楽自体が少なく、小説がとぶように売れた時代は終わりました。
いま、小説は《副業》で書く時代です。
芥川賞作家の《又吉直樹さん》はじめ、最近の作家さんは、みんな、たいてい本業を持っています。
「先生、先生」と、もてはやされた時代は終わりました。
「先生、しめきりが…!」とか、「あの先生は、ホテルにカンヅメだ!」とか(※カンヅメとは、担当の編集さんが、しめきりに間に合わなくなった作家をホテルの一室に閉じこめて、無理やり書かせることです。いえ、べつに、監禁ってわけじゃないんですけど…^-^;)
昭和のドラマにでてくるような作家は、もういません。
いまは、とてもビジネスライクです。
仕事は仕事、小説は小説。みなさん、割り切って書いてます。
そして、令和の時代の小説家の姿が、じつは、この『カクヨム』なのではないかと、私は思っているのです。
ここで書籍化される作家さんも、みなさん、お仕事をされていて、もし本が売れなくてもなにも困らない仕組みになっています。(※たぶん、出版部数も少ないはず…)万が一売れればよし。売れなくても誰も困らない。そして作家にしめきりもない!(ここ重要!笑)
スランプで突然、書けなくなっても誰も困らない。そういうシステムだから、プレッシャーもなくのびのび書ける。それが功を奏して、奇想天外なアイデアも出やすいのではないか…私はそう分析します。
『カクヨム』の運営さんは
***
いずれ、小説は、『カクヨム』に代表されるようなシステムの中で読まれるようになるでしょう。
そして、そうであるならば、「読みやすさ」は「面白さ」の次に重要なファクターになる。それはぜったいです。
そのためにも、長文はNG。『1話3000文字以下』…ここで、このセンテンスが出てくるわけですね。
この先、私自身、作家で食べていけるとは思っていません。(そもそも商業ベースに乗せたいとも、いまは思っていないですが…)もし、万がイチ、書籍化する機会がめぐってきたとしても、いまの仕事をやめることは考えていません。
仕事して、小説書いて、それがずっとつづくこと。
それがシアワセ。
でも、もしも――私の小説がハヤカワ文庫になり、それがきっかけでアメリカのペーパーバックになり、それを見たアメリカのドラマ制作会社が「この原作をドラマにしよう!」といい、ドラマが空前の大ヒットになったなら…私、きっと、仕事やめます。(※19話でも書いてますが、それが私の夢なので…^-^)
でも――きっと、ハワイの豪邸で小説は書きつづけることでしょう。
(…ってか、移住するんかい・笑)
なぜなら…私にとって、小説は『生きること』だから…。
――てなことで。なんだか、最後ぐずぐずになりましたけど(笑)私がいいたいこと、伝わったでしょうか?
でも――きっと、みんな、小説に向き合う姿勢は千差万別。
純文学を極める人も、長文を書き続ける人も、もっと短い文章の人も、それはそれでいいのです。ずっと言ってますが、小説に正解はありません。
『1話3000文字』は、参考までに…ということです。
ではでは、2200文字になったところで、さよーならー。^△^
ちゃんちゃん♪
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