第902話 チビッ子編 👻 なにかいる(1)真夜中の怪談
夏休みに入り、子供達はやはり、ウキウキとしている。
夜更かしはダメだと言うところだが、まあ、たまにはそれもわかる。自分にも、覚えがあるからだ。
しかし、これにも覚えがある。
「怪談かあ。見たいのか?」
僕は、ワクワクとした顔付きをしている凛を見た。
「ん!ん!」
凜は張り切って、頷いた。
「累も優維もかねえ?」
「見たい!」
「ボクも!」
優維ちゃんと累も、しっかりと頷く。
「敬もか?」
兄が一応確認する。
御
「見たい!だめ?明日のラジオ体操はちゃんと起きるから」
それで、美里が凜に確認するように言う。
「怪談って怖いのよ?大丈夫?」
「大丈夫!」
千穂さんも言う。
「泣いても知らないわよ?」
「泣かないもん!」
「ボクも、平気!」
「まあ、夏の夜中にテレビで怪談見るのって、確かに毎年楽しみにしてたものね。
仕方ないんじゃない?」
冴子姉が苦笑する。
「わかった。今夜は得別だぞ」
兄が言って、子供達は喜んだ。
それを見ながら、僕は昔を思い出していた。
あれは小学校1年の夏休み。人生で初めて、夜中にテレビでやっていた怪談を見た日の夜の事を。
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