第433話 変わる写真(1)バンド仲間
1月になり、学校が始まる。
心霊研究部の部室にも、いつも通り部員が集まって来て、宗の持って来たお土産でおやつにしていた。
「へえ。小父さんの同窓会かあ」
「はい。高校の時のクラスらしいです」
「いいねえ。同窓会かあ。仲の良かった友達も、仕事とかで離れたら、中々会えないもんねえ」
「仕事も住んでる所も別々でも、一気にその時みたいな感じになるんだろうなあ」
「せやなあ。オレらが幼稚園の頃の友達と会うんでも懐かしいのになあ」
「何でも、当時は一緒にバンドをやってたらしくて、同窓会の手紙が来てからというもの、うちではしょっちゅう懐かしい感じのロックがかかってましたよ。もう、覚えてしまいそうですよ」
宗は苦笑した。
「楽しかったんだろうねえ」
皆でそんな風に言っていたのだが、まさかそんな事が起ころうとは、夢にも思っていなかったのだった。
宗が家に帰ると、父親が喪服を着ていた。
「どうしたんだ、そんな恰好で」
「ああ、宗。
豊中のやつが、心筋梗塞でなあ。つい昨日、笑って別れたばっかりだったのになあ」
そう言って、溜め息をつく。
「親父も同じ年なんだし、気を付けてくれよ」
「そうだな」
父親は小さく笑って、家を出た。
宗はテーブルの上の集合写真を見るともなく見て、ふと、違和感を感じた。
「何か……あれ?」
どこがどうとは言えないが、最初に見た時と、どこか違う気がした。
「いや、気のせいだよな」
恩師を真ん中にした集合写真をもう一度眺めてみるが、比べる事もできないので、わからない。とりあえず、父親の辺りを見る。
仲の良かった4人組が、固まっていた。豊中さんが
「いいなあ、こんなの」
自分達がこういう風に並んでいる所を想像しようとし、年をいった姿が想像できなくて、宗は考えているうちに違和感の事を忘れてしまった。
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