第4話 脳筋パラメータ

「ステータス、オープン」


「お? 段々とこの世界に慣れてきたって感じだね。それで次はステータスについてかな?」


 レイスに何も言わずに動き始めたというに本当にこの人はよく分からない。俺は、察しがいいのはこういう時に便利なんだなと思いながら、ステータス表示を待っていた。


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(神楽坂 藤介)

十八歳 女性

種族:ヒューマン

職業:学生

出身:地球

称号:異世界からの旅人

≪通常パラメータ≫

LEVEL:18

HIT POINT(体力):324

MAGIC POINT(魔力):0

ATK(攻撃力):50

DEF(防御力):52

M ATK(魔法攻撃力):0

M POW(信仰力):0

SPE(素早さ):58

DEX(器用さ):60

≪基本パラメータ≫

STR(ちから):18

VIT(みのまもり):18

INT(まりょく):0

MND(せいしん):0

AGI(すばやさ):18

DEX(きようさ):18

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「すまない、何度見ても聞きたいことが多すぎて、何から聞けばいいのか分からないから説明してくれ」


 パラメータの表記は俺が分かりやすいように慣れしたんだとあるRPGゲームの表記がカッコ内に記されていて便利だ。しかし、数値が高いのか低いのかは話が別だ。そこのところを説明してほしいと、付け加えてレイスに頼んだ。


「じゃあ、初めはパラメータの数値についてだね。だけど、その前に【ステータス表記】について説明するとしよう。【隠したいものは隠せる】し、今回はいじっていないけど、表記の仕方も君の思い通りだ。

 ちなみにさっき私や君がやったような開き方は主流ではないんだ。ステータスには人に知られたくないような情報が多いからね」


 ほおほお、つまり俺の脳筋パラメータも隠すことが出来るというわけだ。これは朗報だろう。他にも年齢や性別も見せたくない相手には見せないでいいということだろう。


「で、基本的にはこんな感じでステータスを開けば問題ないよ。ステータス、オープン」


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レイス・レオンハート

種族:ヒューマン

職業:魔法使い

≪通常パラメータ≫

LEVEL:100

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「名前と種族、職業、レベルの四つだね。これだけわかれば初対面でも十分信頼して話してもらえるはずさ」


 あと、見せたがりは称号、年齢くらいまで見せるとか。さらに、見せる情報量に応じて展開時間にも差があると、レイスが説明してくれた。


 その説明を受けて俺は、ますます女ということを隠せる可能性に胸を躍らせていた。それに俺はステータスを開くまで女と分からないくらい踊る胸がない。これはいける!


「やれやれ、君! 説明を続けるからね。次はお待ちかねの君のパラメータについてだが……私も見たことがないくらいの脳筋仕様だよ」


 脳筋……ファンタジー世界に来たのに魔法が使えないなんてあんまりだ。だが、魔法が使えなくても強い人たちはたくさんいるんだ。きっと、なんとかなる。次の説明を聞くまで俺はそう思っていた。


「では、≪基本パラメータ≫から説明しよう。これは生まれた時の才能みたいなものを数値化している。ちなみに最大値は18。最低値は3のはずなんだが、君はイレギュラーみたいだね。そのため、君は魔力を操る才能は皆無だがそれ以外は超人的能力を秘めていると言えるだろう。

 それを踏まえて、≪通常パラメータ≫を見よう。ここには今装備しているものや、君が努力をした結果、職業毎の特性も踏まえた数値が反映される。実際に重要なのはこっちの数値なんだ。とは言っても君は今、武器や防具といえるほどの物は装備してないし、職業の学生もINTに補正が入ってM ATKが上がるはずなんだが君には効果がないようだね」


 ん? もしかしなくても俺って物理最強? レベルを上げて物理で殴れば最強なんじゃね? 魔法には憧れがあったが、使えないなら諦められるというものだ。それに物理最強も悪くない響きだ。


「職業の仕組みも説明してあげよう。例えば、戦士や武闘家というのがある。彼らは君と同じく職業柄、魔法を使えなくなる。だが、魔力はある。それらは、ギガス〇ッシュだったり、ア〇ンストラッシュとか、か〇は〇波的な何かを使うときに消費するんだ。つまり、一撃必殺の大技を出すときだけに使うんだ。この世界で魔力がないというのは別に不利というわけではないんだ。パラメータに関してはこんなところかな」


 やっぱ、魔力欲しいな! おい! おのれ、レイスめ。俺の男心を的確につついてくるな。不利とかじゃないんだよ。から、使いたいんだよ。その後にレイスは「ちなみに人族のパラメータの上限は999、レベルの上限は100だよ」と、さりげなく自慢してきたがスルーした。そのついでに、まだ残っているステータスについての疑問を投げかけた。


「俺の名前にカッコがついてるのはなんでなんだ?」


「ああ、そんなことかい?それはまだ君が本当の意味でこの世界の住人じゃないからさ」


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