妄念
これは、知人女性のことである。
そのとき彼女はキッチンで洗い物をしていた。幼い息子は寝室で眠っている。ふと気配を感じたので寝室の戸に視線を向けた。
すると、模型の汽車が宙に浮いていた。寝室の戸を突き抜け、目の前を横切り、反対側の壁に消えていったのだという。
この話を聞いたとき、私は思わず笑ってしまった。そのイメージがあまりに現実離れしており、しかも可愛らしかったからだ。
しかし彼女にとっては怖かったのだそうだ。
その寝室で眠っていた息子というのが大の鉄道好きで、その妄念が形になったようで気味が悪かったという。
何を怖がるかは、人それぞれである。
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