守護霊のぽん
金縛りというのは嫌なものである。身体の自由が効かないというのはそれだけで怖いし、何より苦しい。実際はどうかわからないが、体感時間としてはとても長い。
私の場合、金縛りで苦しんでいると、必ず誰かに頭のてっぺんを「ぽん」と叩かれる。そのとたん、身体が自由になる。辺りを見回しても誰もいない。
私はこの「ぽん」は守護霊の仕業ではないかと思っている。
ところが最近、この「ぽん」がなくなってしまった。金縛りは相変わらず続いている。私は、この事実が怖いのだ。もう護ってもらえないと思うと、薄べったい漠然とした不安を感じる。
経帷子の老婆に足首を掴まれたのは、「ぽん」がなくなったあとの話である。
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