第7話 まじっく・しょ~? 【おまけ/しるくはっとVer.2】

Ver.2 アウラとマーレ


「んっと、アウラ姉様、マーレ兄様。手伝って!」

「え、私? えっと・・・」ちらりとアインズの方を伺うアウラ。

「ボ、ボクも?」

「アウラ、マーレ。手伝ってあげなさい」


 戸惑っているアウラとマーレに対し、優しく後押しをしてあげるアインズ。


「はい! じゃ、マーレも行くよ!」

「ま、待ってよ、お姉ちゃん」


 素速く壇上に宙返りをしながら駆けつけるアウラと、ワタワタとあわてつつも壇上に上がるための階段を急ぎ足で駆け上がるマーレ。


 壇上では、1/3サイズのプルチネッラが二体、それぞれに次の道具アイテムを持って待っていた。


 最初に辿り着いたアウラには、ハンチング・キャップと玩具おもちゃ風の上下二連式猟銃。マーレには、パリッとしたシルクハット風のミニハットと、実寸大より大きめ・・・というより、マーレがすっぽり入れるサイズの山高帽子シルクハットをそれぞれ手渡された。


 マジックアイテム:ハンチング・キャップ

 =職業:銃士ガンナーでなくても銃が使える様になるマジックアイテム。

  使え遊べるだけであって、命中率などの補正は皆無。

  通称:なんちゃってハンチング (音改’製)


 アウラはハンチングを被って、支障なく持てる銃を構えてみたり、アレコレといじって確認をし。マーレはミニハットは被れるものの、大きすぎるシルクハットを持て余し気味に抱えていると、何やら中からもぞもぞと・・・


 ぽん! と軽い音がしたかと思うと、アウラがやっちゃった! という顔をして居る。

 矢弾はマーレの持つ特大シルクハットに当たったようで、そのシルクハットの上には10のカウンター表示が9~8~7~と数を減らしていく。マーレが抱えるのに四苦八苦している動作に、こそばゆさを感じていたインプ達は身動きが取れなくなったように拘束された。


「んっと、シードタネギミックシカケもありませ~ん!」


 そうプルチネッラ’sが掲げるカンペを見ながら宣言するリュート。明らかになにか種も仕掛けもあるのだろうと思われる。

 しかし、ヤサシイ観客達はニコニコと悩ましい笑顔を浮かべつつ、何も言わない。


 種も仕掛けも掛かってはいないが、魔法が掛かっていることは明白だから。


ポッポハトだしま~す!」


 その合図を待ってましたと、カウントが0になるのと同時に飛び出す小悪魔インプ達。手に手に羽箒を持ち、クチバシを模したマスクを付けて飛び立った!


くるっぽぅクルルッポゥ! クルルッポゥくるっぽぅ!」

「わぁ!」

「わ、わゎわっ!」


 驚く観客達、とっさにアウラが銃を構え、ポポン! ポポン! と撃ち続け、足止め。


「ウサギさんに変えま~す!」


 更に動きが止まった小悪魔達をリュートが狙撃して次々にバニーな小悪魔達に変えていくと・・・アウラの速射スピードが速すぎたせいか、密集状態のインプ達が近すぎたせいか、かすかな影響を浴び続け、直撃しなかったはずのマーレに、変化が訪れた!?


「マ、マーレ?」

ぷぅえぇ? ぴょぴょんお、お姉ちゃん? うっさうさどうしたの?」

「「「ぐふぅっ!」」」


 笑撃のあまり、観客が数名倒れるなか、アインズは、


「・・・と、尊い」


 丸い体の真ん中辺りから紅い雫を垂らしながら、存在しないはずの目に焼き付けんとガン見するやや赤味が強い桃色粘液スライムを幻視した。


 マーレはと言うと、頭部からは真っ白な垂れ耳ラビット・ロップイヤーが伸び、両手両足には真っ白な肉球手袋ラビット・グローブ真っ白な肉球足袋ラビット・ブーツ(ハイニーソ)、 加腐化かふか兎の尻尾バニー・テール

 三帖スリーペースト効果により、ヘソ出しタンキニにサスペンダー付き短パンホットパンツな、バニーStyle:マーレ!?


 どっかのナニカによく似ている・・・かも?

 命名するならば、イタリア語でIsolaイゾラ Ventoヴェント島風トウフウ


 付属するなら、三体の良心的なグッド 魔人形デビドール(ぷるちねっら風)を従えている・・・のだろう。


 ただ、マーレの頭上にはエントマの孫娘であるグリンダが、八目六臂はちもくろっぴ妖精ピクシーに変身。|エントマに良く似た姿形なりのとんがり帽子に浴衣ユカタ風バニーStyle(ミニ丈)で六本の手を振っている。


 八目六臂=八つの眼と六本の腕、二本の足で立つ。

 紅玉ルビーのような硬質な八つの単眼が両眼と眉と眉間と目尻の辺りに大小それぞれが配置されている。


 後日、その形態は蜘蛛アラク妖精・シーと命名された。

 翅がないので、空を自在に飛ぶことは出来ないが、その器用さはずば抜けている。

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