紺鼠‹こんねず›雲の記憶
ふと流れてきた歌に、胸が締め付けられた。
その歌は家族の愛の歌だった。
一番古い記憶は、幼稚園に通っていた頃だったか。
ガシャンと玄関のドアのガラスが割れた。
「出ていけ!」
いつもの父の怒鳴り声が響いた。
母は寝ていた私の手を取り、引きずるように連れ出した。
玄関には割れたガラスと母の化粧道具が散らばっていた。
気づけば、私は知り合いの叔父さんの家で寝かされていた。
その後どうなったかは分からない。
いつの間にか玄関のガラスは直っていた。
気づけば父と母はいつもケンカをしていた。
最初の頃は泣きながら止めた事もあったが、いつの間にか諦めた。
紺鼠…わずかに青色がかった暗い鼠色
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