初仕事
第8話
「わぁー! 告白!告白だよ!」
「・・・何が」
「いや、告白だって!」
「・・・は?」
「告白なの!」
「・・・一旦落ち着け」
────すうぅぅぅはあぁぁぁ
「・・・落ち着いた?」
「うん。ありがとう」
「で、何があったの?」
「ミシェルとエリックが付き合っちゃった!」
「うん。で?」
「いや、だって恋人同士になったんだよ?」
「うん。分かってる。」
「なんでそんな落ち着いていられるの?」
「付き合ってても任務に支障は出ないから」
「それは、そうだけど・・・」
「好きなの?」
「いや!? そんなわけないよ!?」
「ふぅん」
────好きなんだな。
アレクサンドルの心拍数が10上がった。
「・・・俺のステータス見てるだろ」
「いや、見てない」
「そうか」
アレクサンドルを騙すのは簡単だ。俺が言ったことを全て信用するから。
なぜステータスを見ることが出来るのか。
まぁ正確にはステータスではなく、戦闘時にどれだけの能力が備わっているかというものなのだが、「攻撃力」「筋力」「行動力」「素早さ」等が書かれたグラフがある。
そのグラフを取る手助けになっているのが、俺たちの身体にある
俺にはステータスを見る権限がある。
それは何故か────
この説明書を読めば分かります。(ありません)
説明しなきゃいけないのか・・・でも説明はめんどくさいからな・・・一言で────
────親のコネ。
まぁというわけで、エリック達のステータスが10上がったことに気づいた俺はあのブレスレットに秘密があると睨んだ。
「・・・あのおっちゃん、怪しい」
「わかった。尾行しよう」
「・・・危ないからダメ」
「えー!」
「とりあえず、帰るよ」
「う、うん・・・」
これが一番いい選択なのだ。
「・・・でも、報告はするよ」
「分かってる」
俺たちはエリック達に尾行していたことがバレないように急いで帰った。
そして、彼らが帰ってくる前にダミアンに報告した。
「・・・ん? あのおっちゃんが裏取引してるって?」
「うん。」
「そんなわけないだろ」
「でもね、怪しいんだよ」
「んな事言ってもな・・・」
「ただいま~!」
ミシェルたちが帰ってきた。
「おかえり」
「何やってるの・・・?」
「おっちゃんがな、裏取引やってるらしいんだよ」
「ふぅん」
「いい機会だし、偵察を4人でしてみるか」
「え? それって大丈夫?」
「おじちゃんにバレなかったらクリアだ」
「バレたら・・・分かってるな?」
話を聞かないな。やっぱり。
「じゃあ、今から準備して行ってこい」
「は、はい」
初任務のスタートである。
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