第3話
俺はとんでもない人について行ってしまったことを今更ながらに気づいた。
「・・・これが」
「あぁ、君"たち"の新しい住処だ」
「たち?」
「ん? 言ってなかったか? 他にも
首を横に振る俺。
「嘘だろ?」
「いや、本当」
「じゃあ、今言ったからセーフだな」
「いや、アウトでしょ⋯⋯」
「ちんたら言ってないで早く入る!」
ほんとにこの人について行ってよかったのかな⋯⋯?
中はちゃんとしていた。
しかもジムまであるし⋯⋯どんだけ給料貰ってるんだろうか?
それは聞いてはいけない質問であるというのは、彼の目を見れば分かる。
それよりも気になるのは
────女性のヌード写真。
小学生とかを入れるための施設だよね!?なんでこんなものがあるの!?
これも聞いちゃいけないんですね。分かります。
「とりあえず、上」
「は、はい」
「なんでそんなゆっくり登っていくんだ?」
「え?いや⋯⋯その⋯⋯」
────なんか仕掛けがありそうだから
「早く登ってくれないか? 俺が⋯⋯」
いや、階段狭っ!
彼のようなガタイのいい男だと、横を向いて上がらないと登れないらしい。
見栄えだけ気にして、中を色々ケチったんだなこれ⋯⋯
「あの⋯⋯」
「あ?なんだ?」
「僕の部屋は⋯⋯」
「とりあえず、引っ張れ!」
「は、はい?」
「挟まったんだよ!」
「家、早急にリフォームしろ!」秒で心で叫んでしまった。
腕を引っ張って動かそうにも見事にハマっている。
「動かないか?」
「うん」
「あ、せっかくだから壁を使って下に降りてみろ」
「は? 殺す気?」
「いや、お前なら出来るだろ?
「いや、出来ないと思う」
「なら、諦めるか?」
「嫌って言ったばかりじゃん!?」
「なら、壁を使って下に降りてみろ」
「わ、わかった⋯⋯」
どうやって降りようか⋯⋯
「壁以外も使っていいの⋯⋯?」
「うーん⋯⋯ダメだな」
「え!?」
「え!?じゃない。早くやれ」
「は、はい⋯⋯」
どこを通ろうか。あの壁を蹴って、あっちに行って⋯⋯あそこを滑って⋯⋯
ドスッ────
「痛⋯⋯ッ!」
「よし、入学試験は合格だな。」
「は?入学試験?」
ダミアンは、普通に階段を降りている。というか、最初より確実に痩せている。
────というより、体型が俺と変わらない
最初の印象のゴツい感じではなく、本当にもやしみたいな身体になっていた。
「それじゃあ、今日から
さらっと怖い事言ったよね? 最後の方、やばかったよね!?
「それって、今断るのは⋯⋯?」
「ダメに決まってるだろ」
これを悪徳商法と言うのだ。(違います。)
どっちにしろ契約書にサインはさせられた。
願ったり叶ったりなのだが⋯⋯
少し、複雑な気持ちになるエリックであった。
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