第2話嫌われ者は恋をする

学校と聞くと大体の学生は憂鬱になる。僕だってそう思うさ。でも、僕が憂鬱になる理由は他にある。


学校に行くと一部を除いて皆から睨まれる。それに……こっちを指さしてコソコソ話してるのを見ると体質だと分かっていても泣きたくなる。


「今日も憂鬱そうにしてるなぁ~晴斗は」


 話しかけてきたのは麟弥だ。


「月曜日の学校なんて皆憂鬱だと思うんだけど……」


「それは、一般の高校生の話だろ。お前はそれ以上に憂鬱そうにしているから心配してんだ」


なんとも嬉しいことを言ってくれる友人がいたものだ。


2人で話をしていたその時……曲がり角から出てきた人と衝突してしまった。それも、校内一を誇る美少女岩代美鈴に……って岩代さん!?


「ご、ごめんなさい! 怪我ありませんか……?」


「あ、あの、えっと、大丈夫です。そちらこそ大丈夫でしたか?」


「大丈夫です……って晴斗君!?ご、ごめんなさい~!」


彼女は僕が晴斗であると認識すると、顔を真っ赤にして走って行ってしまった。


僕って本当に嫌われてるんだな……。


「晴斗、大丈夫か?」


「大丈夫だけど、僕ってホントに嫌われてるんだね……」


「は? おいおい、頭でも打ったのか?」


「打ってないわ! 理由として、岩代さんはぶつかった相手が僕だってわかった瞬間、顔を真っ赤にして走って行ったんだよ?」


「……お前それを本気で言ってるなら超鈍感だな」


「へ? どゆこと?」


「教えねーぞ。自分で気づけ」


そう言って麟弥は自分の教室へ行ってしまった。正直、麟弥が何を言いたかったのか分からなかった。




けれど、僕はあの時麟弥に言わなかったことがある。




僕は、岩代美鈴に一目惚れをしたことだ。




なんだか今日は気持ちよく過ごせそうだ。


そんなことを思いながら今日も僕は生きていく。岩代さんへの思いを胸に。

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