第21話 ちびエルフは亜音速で飛ぶ

 ノムちゃんは受験本番で緊張しすぎ、凡ミスを繰り返して、影で見ていたイスパノに胃痛を起こさせたが、なんとか、ぎりぎり、治魔師学校に合格した。

 治魔師学校は原則的に全寮制であったが、まだ心配しているイスパノと、ブレダにノムちゃんのお世話が癒しになっているとアナトラから報告されたペルトリが口をきいたことから、特例として、ブレダの官舎でノムちゃんが学生兼主婦業を続けることは認められた。

 正規の授業が始まってからは、緊張もとれ、いっぱしの治魔師学生をやっているようだった。


 ブレダの訓練はアルバトロスでは限界となり、ほとんどが「シミュレータ」で行われるようになっていた。

 新たにもっと高性能な練習機を開発しようと言う話も出たが、さすがにグライダー改造というわけにはいかず、ただでさえ手一杯なところでここで新規開発にリソースを回す余裕はないと判断された。

 魔力コンピュータで制御されるシミュレータは、最新の設計に基づいたもので、随時更新されていた。座席を動かす魔力ギミックが取り付けられており、操縦者の操作に合わせて本物そっくりに動くようになっていて、なかなかよくできたものだったが、ブレダはアルバトロスで飛ぶ方が好きだった。

 しかし、「本番用機体」はアルバトロスに比べ、性能、機能向上に伴って要求される操作の量が段違いに多く、覚えなければいけないことはたくさんあった。

 シミュレータで出た問題やブレダの意見は、逆に設計案にフィードバックもされた。これとは別に、幾度となく行われたコンピュータシミュレーションの結果なども踏まえ、設計はどんどん洗練されていった。

 ブレダは、とりあえずシミュレータの上でならば、自由自在にこの新型機体を操れるようになってきていた。


 座学については、よく考えたら生徒は自分しかいないのだから、我慢して普通の学校でやる授業のようにただおとなしく聞いている必要はないのではないかと考えたせっかちなブレダは攻勢に出るようになっていた。

 当初講堂でおこなわれていた授業の間も、我慢せずにどんどんわからないところを質問しまくったため、それは講義というよりディスカッションの様相を呈し始めた。ブレダにやる気がある限り、それのほうが効率が良いと理解したペルトリもそれに乗った。

 やがてそれは、シミュレータ訓練などの間を縫って、ところ構わず行われるようになり、たまたま居合わせた他の科学者や技術者も参加すると言う、非常に実践的なものとなって行った。

 ペルトリの勧めで、ブレダは積極的に自分から研究所内にいるその道の専門家に直接教えを請いに行くようになったので、アナトラはペルトリと話し合って、時間割に沿ったカリキュラムを放棄し、その週の学習目標だけをブレダに与えることにした。


 このことは現場の士気に予想外の効果を与えた。

 研究所内をちょこちょこと走り回る、このちっちゃい熱心で快活な荷物ペイロードは、チームの面々にとって、それ以上の存在とみなされるようになっていき、やがてマスコットから「プロジェクトの精神的中核」にまで進化した。

 なんとしてもこのちっちゃいのを誰よりも早く飛ばすのだ。それはすでにスローガンというだけではなくなり、皆、心からこの目標に向けて情熱を燃やすようになっていた。


「うーむ」

 リリエンは冶金の専門家であるドワーフ軍団のひとりと、やはりこの方面を得意とするエルフ企業から派遣されているエルフ技術者とともに、シミュレーション結果を見ながらうなっていた。

「やはり、ここの強度が足りない。下手したら翼がもげるね」

 図面を指し示してリリエンが指摘した。

「しかし、重量制限を考えると、これ以上の強度をもった充分軽い合金はいまのところ存在しないぞ」と冶金ドワーフ爺が応える。

「魔法で補強してやるのはどうだろう」とエルフ技術者が提案した。

「魔法ねえ」

 リリエンは黙考した。

 ドワーフには生まれついての魔法力はなく、それよりも技術力を好む傾向が強かった。

 しかし、リリエンは「空を飛ぶ」という目標のためなら魔法を使うことだって何の抵抗もない、そういうタイプの技術者だった。

 この機体にも、エンジンの他に、すでに多くの細かい魔法が取り入れられている。現状の、まだ未成熟な航空機製作技術では、それは避けられないことだった。

 しかし、これ以上魔法に頼ることは、ブレダに大きな負担を与えることになってしまう。というか、もう限界に近かった。

「できれば避けたいけどねえ」

「なら機体重量を上げるしかないな。動力エンジンの連中に出力を上げてくれと無茶を言うことになるが」

「それじゃ機体の特性からしてかわっちまうね。いろいろ設計のし直しだ。かなりの後戻りになるが、しかたないかな……」

 などとドワーフたちが議論しているのをだまって聞いていたエルフ技術者は、やがて「ええい!」と叫んで、魔力タブレットを操作してなにかを表示し、リリエンに渡してきた。

「これ……は?」

弊社うちの最新技術だ。魔法によって金属の分子構造を変化させる術式だ。これなら継続的に魔法をかける必要はない」

 その実証データを確認し、リリエンはうなった。

「こいつはすごい!これならいけるかもしれないが……いいのかい?これは御社おたくの最重要企業秘密だろう?それをあたしらドワーフなんかにもらして」

「それは……いや、なんともしても私が社を説得する。なんなら宮殿から手を回してもらってもいい」


 こんなことが各所で起こった。

 機体チームでもエンジンチームでも、エルフが、ドワーフが、そしてその他の種族の技術者たちも、持てる技術を出し惜しみなく振り絞った。


 やがて、リリエンは設計にとりあえず満足し、機体の実製作にGOサインを出した。

 もちろんそれからも、様々な問題が持ち上がったが、一丸となった機体チームはそれらをひとつひとつ乗り越えて行った。


 エンジンチームも、あのペルトリのエンジンに様々な改良を加え、いくつもの試作を経て、機体に搭載可能な「本番用」エンジンの製作を開始した。


 それが一応の完成をみて、航空基地の格納庫で最初の試験が行われることとなった。

 エンジン上部の防護板の上に据え付けられた簡易コックピットに座っているブレダにペルトリは言った。

「よいか、魔法というものは本来限界などないに等しい。空間エネルギーは無尽蔵といっていいほど存在する。しかし、それを思うがままに引き出すと言うのは、簡単なことではない。どうしてもがじゃまをする」

 どうしても「いくらなんでもこんなに都合のいいことは起きないのではないか」という考えが障壁となってしまうのだとペルトリは言っていた。

 呪文というのも、その障壁を取り払うための儀式に過ぎないとも言った。じゃあ、もっともらしく顔をしかめるのも、杖を大げさに構えるのもそれだったのかしら、とブレダは考えた。

「そんなこと考えなければいいと思うかもしれないが、それは簡単なことではない。社会生活を営む上で常識は不可欠な要素で、我々に深く根差している。原初においてはそんなことを考えずとも、簡単に使えたかもしれないが、ここまで発達してしまった社会に住む我々は、常識それに縛られないと生きていけないのだ」

 ペルトリは続けた。

「充分に精神修養の訓練をした修行僧とかならば、あるいは自由自在に扱えるかもしれないが、そんなものはすでに伝説の中の存在だ。しかし、自由自在には無理でも、引き出すエネルギーを高める方法はある」

 ペルトリはどこぞの元テニスプレイヤーのような顔になって言った。

「それは情熱だ!目的をかなえようと言う熱い心だ!君にはそれが十分にあると私は確信する!」

 ブレダの肩をこぶしで軽くたたくとペルトリは声を高めて言った。

「常識をふっとばしてみせろ!」

「はい!」ブレダもすっかり熱くなって元気に答えた。


 ペルトリがはしごを降りてコックピットから離れると、ブレダはエンジンを始動した。

 呪文は飾りだと言ったペルトリの思想を反映してか、エンジンの操作に呪文は採用されていない。

 呪文化コディファイしたほうがいいのではないかという提案もなされたが、飛行機の操縦という忙しい作業の中で、いちいち呪文を唱えるのは不可能とされ、その代わりにレバー操作で出力を調整する仕組みがエルフの魔法技術陣によって考案され、取り付けられていた。

 それには各種の魔方陣が組み込まれており、ブレダと直結して魔法力を空間から取り出す手助けをすることになっていた。

 しかし、これすらもあるいは「儀式」なのかもしれないな、とブレダは考えながら、意識を集中して出力を高めていった。

 大気の分子をイメージし、それに語り掛ける。もっと早く、もっと激しく動け!どうした?もっとよ!

 エンジンが奏でる音はだんだんと高くなっていき、ノズルが白熱し始めた。

 やがて、魔力モニターに群がっていた科学者や技術者たちから一斉に「おおうっ!」というような声が上がった。

「先生!目標の推力を達成しました!100%を超え、まだどんどん上がっています!」

「おお!ついに!」

「いや……これはやばいぞ!」

 技術者の一人がそう叫んだ直後、「すぽん!」という甲高い大きな音とともにノズルの先端が吹っ飛んで、掘っ立て小屋様式の格納庫の壁を破って姿を消し、その先で大きな音を立てた。外に積んであった資材に当たったらしい。

 ブレダが慌ててエンジンを切って静かになると、ペルトリが叫んだ。

「すぐにノズルの再設計にかかるぞ!強度をあげねばならん!材質、構造、全部見直しだ!かかれ!」

 エンジンチームの面々は右往左往してから破損したエンジンに取り付き、あるいは格納庫から飛び出していった。



 結局、それは1年には収まらず、すこし超過することになった。

 以前の掘っ立て小屋に比べれば、少しは立派になった格納庫から、銀色に輝く「その機体」が引き出されてきた。

 ペルトリは感慨深げにそれを眺め、嬉しそうに言った。

「遂に完成したな」

「まだ形になったってだけさ。これから試験飛行を繰り返して、細かいとこをつめていかなきゃ」

 リリエンは顔をしかめて言ったが、その顔にも喜びとなしとげたという矜持がにじみ出ていた。

「そういえば、名前は決めたのか?」とペルトリは聞いた。

 飛行機械第一号の命名の栄誉はリリエンにこそ与えられるべきだとペルトリは主張し、いろいろ提案して来ようとしたお偉いさんを含めた各方面を抑え込んでいた。

「ああ、決めた」

 リリエンは、にやりと笑うと答えた。

「こいつの名前は『セイバー』だ」

 ペルトリは口の中でその名前を繰り返した。

「なるほど、ドラゴンを倒す最強の剣か。悪くないな」


 ブレダはノムちゃんと二人で滑走路に出て、その機体、セイバーの周りをまわった。

 ブレダが最初に研究所に来たときに見た「仮設計案」の映像と基本的には変わりはなかったが、様々な改良がくわえられ、その精悍さを増しているように思えた。

 最大の違いは、主翼にあった。あの映像やアルバトロスのそれに比べ、後ろに向かって傾けて取り付けられている。

 後退翼と呼ばれるようになったこの方式は、ブロームとフォスのドラゴン、アルガスが乗っていたものの映像からパクられたものだった。

 シミュレーションしてみると、この機体に求められる音速に近いような高速域で、様々なメリットがあることがわかった。この件に関しては、我々の世界の後退翼と何の違いもないので、興味のある方は調べてみてほしい。

 もっとも、リピッシュはデルタ翼機に近いし、シュツーカも後退翼を採用しておらず、ブロームとフォスが意識してこうしたのかどうかはわからない。

 ブレダはゆっくりと後ろに下がって、その全体像を眺めた。

 名前と言い、銀色に輝く機体と言い、それはまったくたまたま、本当に偶然に、我々の世界でかつて飛んでいた「F-86セイバー」戦闘機にとてもよく似ていたが、重ねて言うがたまたまであり、本当に本当に偶然に過ぎない。

 似たような目的で作られたものが似てしまうのは仕方がないことだ。それに、そんなことはもちろんブレダにはわからなかった。


 それはすっごいぴかぴかで、めちゃくちゃかっこよかった。ブレダは思わず両手をぎゅっとして思った。

「これが飛行機なんだ」

 もちろん、所有権がブレダにあるわけではなかったが、それはブレダ専用に作られた飛行機械だった。

「早く飛びたくて仕方ないって感じね」

 そう声をかけられて振り向くと、アナトラがおおきなバックをもってこちらに歩いてくるところだった。

「はい、飛行用衣装フライトスーツも完成したわ。魔力インカムをとりつけたヘルメットも入ってる。」

 それは我々の世界で言う耐Gスーツだった。

 この機体に可能な高速で急激な機動を行った場合、操縦者ブレダにどんな影響があるかはまるでわかっていなかったので、毎度おなじみの、あの回転するアームの先端に座席のついた「ぐるぐる高速で回るアレ」に不運な被験エルフをのっけてぶん回してみたところ、彼はのびてしまった。

 エルフ医療チームは、遠心力によって下半身に血がいってしまったことから、脳に血流が足りなくなり、すなわち脳虚血状態をおこして気絶したと分析した。

 そこで、Gのかかる機動時に脚部に機械的な圧力を与え、それを防ぐ服が開発されたのだ。

 ヒルデやアルガスが着用していたものと機能はほぼ同じで、デザインも似通っている。さすがに色は違ったが。

「さあ、着替えて初飛行といきましょう!」

「はい!」

 元気よく答えると、ブレダはさっそくそこで服を脱いで着替えようとした。

「ぎゃあああ!」

 ノムちゃんは慌てて全身を使ってブレダを隠した。

 もちろん、滑走路の周辺には初飛行を見ようと関係者がたくさん集まっている。その大半は男性だ。ノムちゃんは、アナトラからバッグをひったくると、ブレダを格納庫脇の控室に引っ張って行った。


 初飛行は順調に成功した。

 プロジェクトチームは歓喜して、握手しあい、あるいは抱き合った。種族や年齢やキャリアの差などはもう関係なかった。


 それから数週間して。

 テストパイロットであるブレダの要望なども聞き、様々な細かい調整が行われたセイバーは、今日全力試験に挑んでいた。

 機体から魔力通信で送られてくるテレメトリーを見ていたエルフ技術者は、大きくうなずいた。それでも、慎重に地上観測班とも連絡を取り、そのデータとも突き合せる。

 満足すると、彼は目頭をもみながら、後ろでやきもきとしながら見守っているペルトリとリリエンの方を見て言った。

「912,5エルキ/時の最高スピードが記録されました。これは最新の情報による魔族の新ドラゴンの最高速を凌駕します」

 リリエンは感極まり、飛び上がってペルトリに抱き着いた。

 ペルトリはひっくり返りそうになったが、何とか持ちこたえるとリリエンを抱きあげたままぐるぐると廻って踊った。

 アナトラは手に持っていた書類の束をながめた。

「あとで集めるの大変だろうな」

 それでもやっぱりやるべきだ。うん。と考え直し、その書類を空中に放り投げた。

 この行為はあちこちに伝染し、基地の滑走路わきに新たに建設された管制室の中には、歓声とともに書類の紙吹雪が舞う、例のあの光景が現出した。



「エルフ国がその同盟国と協力して魔王軍の新型ドラゴンを超える性能の飛行機械を作った」というニュースは、エルフ国の圧力もあって、各魔力メディアに一斉に流れ、大変な話題となった。

「セイバー」という愛称と、そのパイロットである「ちいちゃな近衛軍少尉」も大々的に宣伝され、ブレダは一躍時の人となった。


 それは同時に、結成式でペルトリが言ったように、魔王軍に対するメッセージでもあった。

 今、エルフ国とその同盟国は、あの恐ろしい新型ドラゴンに匹敵する力を手に入れた。うかつに手を出すと痛い目にあうぞ、という抑止力としての効果が期待されていたのだ。


 アルガスは、執務室で、エルフ国で発行された新聞に掲載された一コマ漫画を見ていた。

 それは、双方の機体の特徴をよくとらえ、なかなかよく描けていたが、アルガスにはちっとも面白くなかった。

 セイバー、すなわち剣であることを強調されたエルフの新兵器が、ドラゴンらしく誇張されたヒルデの乗るリピッシュを真っ二つにしている図案だったのだ。

 もちろん、剣を振るうのは伝説の騎士になぞらえて、かなりぶかぶかの鎧を着るブレダだった。


 エルフが早い段階で対応策を打ち出してくることは予想していたが、正直ここまで早いとは思っていなかった。

 これがエルフでなかったら、話半分のプロパガンダと笑い飛ばすこともできたが、律義なエルフがそんな杜撰なことをするとも思えなかった。少なくとも75%くらいは本当であろう。

 それに、分散、消滅してしまったものと思っていた先代魔王時代までのエルフ国内の情報源組織との連絡が回復し、その「草」たちから送られてくる情報も、75%どころか、ほぼ宣伝通りのことが起きたことを伝えていた。

 また、彼らが別に伝えてきたエルフ国の対空防衛兵器、ことに、魔力探知レーダー網の配備計画というのもひどく気になる。


 ちなみに、エルフ国の諜報組織は長い歴史を持ち、ことに防諜部門は非常に優秀であった。

 これだけの情報を集めるだけでも、魔王軍古参のベテランスパイと、エルフのカウンターインテリジェンス部隊との間で、人目の及ばない密かで激しい戦いが行われていたが、それはまた別の話である。


「まあいい」とアルガスは考えた。

 情報によれば、それはまだたった一機しかないようだ。こちらにはそろそろ一個師団分が充足されようとしているシュツーカと新型戦闘用馬車がある。まだ一歩先を行くことには成功しているではないか。

 エルフ軍の新型機には武装らしきものもないが、こちらはすでにドラゴン搭載対空機銃の開発も行っている。

 魔力レーダーにしても予想の範囲内で、魔力をなるべく漏らさないようにする改造、いわばステルス化について、ブロームとフォス、そして魔王軍の魔法使いたちとで、以前から何度か話し合いをもっていた。


 というか、このパイロットだというエルフはなんなんだ。ずいぶんと小さいが。エルフはこんな小さなパイロットでないとうちのドラゴンに敵わなかったということではないか。

 ヒルデの身長については棚に上げて、アルガスは新聞に載っているブレダの写真を見た。てれてれでにっこりと笑っている。

「……かわいいな」とアルガスは思った。ヒルデ様とは違うタイプのかわいさだ。

「だが、ヒルデ様の方がずっとかわいい」とすぐに思い直して深くうなずく。

 そうだヒルデ様だ……とアルガスは考えた。

 この情報はなるべく魔王様のお耳にはいれないほうがいいな……。


 すでに遅かった。

「アールガス!」と怒鳴りながら、ヒルデ・ユンゲルス二世猊下が、そのお姿をお現しになった。

 その手にはしっかりと、エルフ国の新聞が握られている。

「なんなのよ!これ!私のリピッシュがこんなのに負けるわけないじゃない!!」

 新聞を叩きつけてきた。


「それになんなのこのちっちゃいエルフは!キャラが被ってるのよ!」

「いや、全然被ってないと思います」とアルガスは心の中で突っ込んだ。

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