第2話

僕が見つけた少女(と言っても僕と同い年ぐらいなのだが)は僕の目を奪った


彼女がまるで虹の妖精のように

虹色に輝いているように見えたのだ


否、もしかすると陽の光の反射によって

虹色…とは行かなくてもキラキラと輝いていたのかもしれない


僕はその不思議な子に見惚れた



「…ねぇ、……君」


無意識だった。

無意識に僕は彼女にはなしかけていた


女の子は僕の方を向く

その目はまるで

この世の全てが輝いて見える

とでも言うかのような澄んだエメラルドグリーンだった


茶髪のセミロングにエメラルドグリーンの目

白いワンピースのその子に

僕は目だけでなく心を奪われた



「……あなたは?」


首を傾げ問う少女に

名乗らなければと思う


「え……と…、」


その心とは裏腹に

上手に言葉が出てこない

ただ、自分の名を言うだけなのに


「さと、る……さとる。」


「さとる…くん?」


「うん……そう。さとる…


君は?」


そう聞くと彼女は困ったように目を逸らした

そしておちゃらけるように笑った


「分からない」


これが僕と名のない彼女との出会い

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