第三章
土曜日は、自宅周辺を歩き回って、普段使いのお店を探して過ごした。そして、翌日曜日。僕は、「行ってはならない」と忠告されていた、その場所へ向かうことにしたのだった。
(・・・・・・さっすがに、怖いなぁ)
貴重品は置いてきたし、身軽な恰好ではあるものの、やはり、僕の足取りは重かった。ようやく気候には慣れて来たものの、街に親しんだと感じるにはまだまだ時間が足りな過ぎた。言葉は通じない、看板も読めない。スマホはあっても、今の僕を助けにきてくれる通信相手はいない。
けれど、あの子に会ったことを無かったことにはできなかった。
だから、僕は覚悟を決めて、その通りに入っていったのだった。
道は、高級マンション・・・・・・、だっただろう建物に繋がっていた。地価高騰のおり、ローンが払えず手放したり、空き室を作らないために”また貸し”が横行した結果、住人が減り持ち主も分からなくなった建物。つまり、管理費も充分には払われていないから補修も行き届いていない、ボロボロの建物。その建設当時に作られた地下のシェルター、そこへ繋がる非常口の扉が僕の目の前にあった。
(※次回、ここから)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます