第21話 魔王様にお祈りを
無事に勇者共に殺害された様に世間に見せた私
「身元が分かるような物は見つかったか?」
「いいや、さっぱりだ。身なりからどこぞの貴族かと思ったが家系を示す紋章すら持ってない」
今、私の身元を調べようと医師による検死が行われ、衛兵の調査官と医者が好きかって話しているところだ
「逃げた海賊の仲間じゃないのか? 昨日の晩に仲良く飲んでいた所を目撃されている、内輪もめで殺されたか・・・」
「こんな日に焼けてない白い肌で海賊か、あり得んね、手にタコすらないじゃないか。足も酷使した様子無し、過度の乗馬によるの脚の変形も無し、目撃証言だと旅人って話じゃないか、おかしいだろ」
「馬車を所有していた形跡も御者が居た形勢も無し・・・・。駅馬車を乗り継いで旅をしていた?」
「手持ちの現金はそれだけ、金が足らんし銀行から下ろすにしても口座の証文を持っていない、頼れる知人が居たとしてもそう言った人物が確認できなかったんだろ」
「証文を奪われた可能性も有りか…、辺りの銀行に再度警告するか、逃走犯が利用するかもしれん、死体はしばらく保管かな」
「旅の必需品も一切持っていないのも気がかりだ。本当に何も無くてきみが悪いよこの被害者、私としてはさっさと埋めて欲しいね」
ふ、例え死していたとしてもこの魔王に恐れをなすか。いいだろう恐れついでにそのまま敬意を払え、唾を吐いたら殺すがな
「あ!男娼と言う線はどうだ?」
「ほう、身なりが良いのは商売道具だからか」
「ああ、金持ち御用達の男娼なら、世間体から証言を得られないのも説明がつく」
「なるほどな、さっそくケツを調べてみよう」
おい・・・
{あれから1週間後}
「なんか、最近先生色っぽく感じないか?」
「そうなんだよな男なのに…、調査官の男もそうなんだよな」
私が
「あの調査官さんはもうデキてるらしいぜ」
「うわ、ほんとかよ」
どうやら片方はまんざらでもなかったらしい、痴情のもつれから後ろから刺される方に期待しよう、もちろん刃物でだ
「そんな事より、さっさと埋めますかね」
「そうだな、ゆっくり下ろすぞ」
う~む、無縁仏にしてはなかなか良い棺桶を用意したではないか。私の所持金から引かれたのか?
「神父様、頼みます」
「はい、では皆さんも一緒に祈りましょう」
神父? はて、この気配は以前に感じた事が有るがどこだったか・・・
「神よ、この者孤独な者が魔に惑わされる事なく、安らかに眠りにつけるようお導きください。世に光の栄光があらんことを」
「「世に光の栄光があらんことを」」
この程度の祝福など道と言う事は無いが、この焼けつくような感覚は・・・、こやつ何者だ?
「もう頃合いか・・・」
私は深夜になるのを待ち、墓から這い出たそこには
「お待ちしていましたよ・・・、遅いお目覚めで」
気配を消し待ち構えていた神父の姿があった
「ほう、やはりただ者では無いか。貴様、雰囲気が大分変ったな」
「はい、職業柄ゆえ仕方がなく。この日をどれくらい待ちわびたことか
「私は待ってはいないがな、不死の勇者よ。貴様が聖職者とわな」
不死の勇者、死しても教会で復活する死を超越した存在。私のしている限りでも魔族との戦いで684回、人間の争いに巻き込まれ56回、魔の者と疑われ火刑に処される事13回、この世に教会がある限り生き続ける神に
「ふふ、外は肌寒いでしょう。中でお話しませんか、
「ああ、いただこう。たまには聖別された茶葉のピリピリとした刺激を味わうのも悪くない」
聖者の勇者か、仮に
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