二人の距離

「うっ……くっ……」

 重い瞼を持ち上げた。

 目に映ったのはぬくもりのある木の天井。時間によって書かれたこの世に一つしかない模様に白や黒、様々な茶色で丁寧に塗られている。背中に伝わる感触はフワ フワとしているが程よい固さがありとても心地が良い。鼻に入ってくる匂いはどこかお日様の香りがする。

「ここはどこだ?」

 上体を起こし部屋を眺めた。

 見慣れない部屋、見覚えのない場所。目を覚ますとベッドの上で寝ていた。確か森にいたところまでは記憶にあるのだが、どうやってこんなところに来たのか……

 左腕を眺めた。

 傷一つない綺麗な左腕。牙で抉られていた腕の肉が見事に戻っている。

 ホッと人心地つくと、すぐにある不安がせり上がる。

 誰もいない部屋。アビゲイルは一体どこにいるのか。

 積もる不安にベッドとから飛び出す。

「えっ?」

 思わず、声を漏らした。

 床にしっかりと付けたはずの両足が体を支えきることできず、倒れこんだ。

(何が起こった?)

 答えは明瞭。

(ここは、どうして?というべきだ)

 足に力が入らない。足の感覚がなくなっている。自分の意志で動かせるには動かせるが、それもごくごくわずかである。

(どうして、足が動かない?なぜ動かない?俺の体に一体何が?)

 それでも動くことやめず、腕を使い、床を這いつくばりながら扉に向かった。

 やっとのことで扉までたどり着くと床から振動が伝わってきた。地震とは違う小さな揺れが、少しずつ大きくなり発生源が扉の前まで来た。

「アサヒ‼」

 アビゲイルが勢いよく入ってきた。その表情は険しくもどこか安堵している。

 アビゲイルは衣装を変えたのか、男っぽいジーズとTシャツから純白のミニワンピに身を包んでいる。

 こういうのは決して不本意であるのだが、立てない俺はなんとか部屋を出ようと扉の前まで這いつくばってきた。そしたら、偶然、扉を開いてミニワンピを着たアビゲイルが現れた。ちょうど俺の視線から……

「その色は狙い過ぎだと思うけど」

 そう一言口にすると、アビゲイルは服の裾を押さえた。

「あぁ~もう、この変態」

 アビゲイルは悪態をつき振り下ろされた素足が顔を踏みつける。ぐりぐりと踏みつぶされて、確かに痛みが感じるものの熱を帯びた体には、床で冷やされた冷たい素足に顔が緩む。

 あきれてため息を漏らすアビゲイルは足を離した。

「ホント、あなたって人は」

「ハハァ、良い顔だよ」

 先ほどよりはずいぶんマシな顔つきになった。やはり美少女の顔はこうではなくては。

「ここでなにをしているのよ?」

「ねぇ、手かしてくれない」

「自分で立ちなさいよ」

「いや、なんか足に力が入らなくて立てないの」

「あぁもう……」

 アビゲイルに後ろから抱え上げられた。少女が持つにはかなり重いが、すり足で歩きながら俺をベッドまで運び、腰をかけさせてもらった。

「ねぇ、足が動かないのだけど、俺何かの病気なの?」

 ベッドの端に座る俺の前にアビゲイルは床に膝をつけた。

「知らないわよ」

「これって元に戻る?」

「……」

あぁそうか。そんなに都合よくないか……

「そう、ありがとう」

「……」

アビゲイルは悪くない。最善を尽くしたともいえる。感謝しても責める理由はない。

 アビゲイルは顔を下げたまま、俺の隣に腰掛けた。

 誰だった相手に伝える言葉は良いものの方が、気が楽だ。悪いことなど口を塞ぎたい。

 結果、妙に気まずい空気が漂ってしまう。

 肩を並べてベッドに座る俺たち。並べる肩は、触れそうで、触れない、お互いの存在を感じられる距離を保っている。

 妙な空気に耐え切れなくなったのは俺だった。

「そういえばここ、どこなの?アビゲイルの隠れ家とか?」

「カルデおばさんの家」

「親戚?」

「いや、私たちが行き倒れていたところを助けてくれたのよ」

 って、ことは森の近くに村でもあって、そこにいるってことかぁ。

「この異世界にも親切な人がいたんだな」

「なんで私のことを見るのよ」

 異世界に来て、一番最初にあった人間がこれだからなぁ……

「いやなんでも。突然、異世界に来て感覚がマヒしていたけど、アビゲイルってなかなか過激だと思って。森の中じゃ、あんなに素直で可愛かったのに、一体どこにいったのか……」

 アビゲイルは、俯かせていた顔を上げ、じっとりとした瞳で俺の瞳の奥を覗く。

「本当に私、可愛い?」

「いや、その……」

 そこは旺盛な態度を予想とはしていた俺は、完全に不意を突かれた。

「……」

 アビゲイルが、言葉を待つようにじっと吸い込むような瞳で心を覗いてくる。

 俺は、その視線から目を離した。

「今でも、十分かわいいと思うよ」

「……」

 アビゲイルは顔を下げ、もじもじと身をよじり耳を赤くする。

「あぁそうだ。アビゲイル……」

「アビー」

「えっ?」

「私のこと、アビーって呼んで……」

 あぁもう、何を言おうとしたか忘れた。

「その代わり、アサヒのこと、アライって呼んでいい?」

「えっ?」

 あれ~、アビゲイルに愛称で呼ぶように言われてグッと距離が縮まったと思ったのに、新井朝日のアライでは、距離がまた遠のいた。

「ダメかな?」

「ダメじゃないけどなんで?」

「だって……そんなことどうでいいでしょ‼」

 えぇ~、どうでもよくは……

 あっ‼謎が解けた。

 アビゲイルはとんでもない勘違いをしている。

 でも、この妙な空気の中で間違いを正すの気が引ける……どうせバレないけど、ずっとアライって呼ばれることになるしな~

 仕方がないが、アビゲイルには恥を忍んでもらうか。

「あの~すこし言いにくいんだけど……」

「なに?」

「実は俺の国では、ファーストネームが下に来るのだけど……」

「…………」

 アビゲイルはぽかんと口を開けた。

 ゆっくりとゆっくりと俺の言葉をかみ砕いていくと……

「⁉⁉⁉⁉」

 急に顔を真っ赤にさせて、声にならない悲鳴を上げる。

(まぁ、それもそうなるよな)

 名一杯の勇気を出して、ファーストネームで呼ぼうとしたのに、実はずっとファーストネームで呼んでいた。

 空回りした勇気で、それは恥ずか死にたいだろうな。

 アビゲイルは、無言の悲鳴に疲れ切りベッドの上に背中から倒れこんだ。

 天井を見つめるアビゲイルは、何もなかったかのように素に戻った。

「はぁ~、ねぇアサヒ。好きな食べ物はなに?」

「どうしたの?今日の夕食でも作ってくれるの?」

「それもいいけど……」

 そして、アビゲイルはまるで距離を測るようにそっと自分の手を伸ばした。

「あなたのことが知りたいの、アサヒ」

 混じりっ気のない素直さは、現代社会の現実を知らない俺ですら、こそばゆい。

「料理できるの?」

「えぇ、もちろんできるわよ」

 素直さに照れて茶化すもアビゲイルの心は揺るぎない。

 その素直さに俺は諦め、アビゲイルと同じようにベッドに倒れこんだ。

「そうだな、『ロールキャベツもどき』かな」

「なにもどきって、そこはロールキャベツじゃダメなの?」

「いやいや、俺の中ではかなり重要。ロールキャベツはひき肉をキャベツで包むけど、もどきはキャベツとひき肉をミルフィーユ状にしたものなんだよ」

「ロールされてないじゃないそれ」

「だから、もどきなの……小さいときに母が包むのがめんどくさいからって、重ねて出してきたの。最初は不満だったけど食べてたら普通においしいの、その印象深さからかな。でも、今は仕事が忙しくて料理は俺が作ってるから食べられないけど……」

 母の味と思い浮かぶのがこの料理。料理が苦手な母の唯一の得意料理ともいえる。

「そっちは何が好きなの?」

「う~ん……オムライスかな。フワフワでとろとろしたやつ。チキンライスに乗ったオムレツをスプーンで切って広がるところまで含めて」

 なにそのこだわり。

「ソースは何をかけるの?」

「ペシャメルソース。デミグラスソースでもなく、ケチャップでもなく。絶対、ペシャメルソース」

「ペシャメルソース?なにそれ」

「知らないの?白いソースのやつ」

「ホワイトソースのこと?」

「まぁ、似たようなものね。それから生クリームを抜くとペシャメルソースよ」

 と、言われたが、ホワイトソースから生クリームを抜いたら白くならないんじゃないか?

「次は好きな色?」

「俺は、赤かな」

「どうして?」

「子供のころから母が買ってくる服ってなぜか赤だったんだよ。それが続いて自然と赤色が好きになったかな。今では買うものは大抵、赤色になってる」

「ふ~ん、私は白よ」

「それってやっぱ下着のイタタタッ」

 脇腹を強く捻られその先を止められた。

「次は好きなことは?」

「そうだな……面白いことならなんでもだけど、特にだったら読書とか映画とか物語見ることかな」

「へぇ~、意外ねぇ~」

「バカに見えるって言いたいなら、はっきりそう言えよ」

「考え過ぎ」

「そっちはどうなんだよ?」

「私は、魔術研究。時間を忘れて、頭一杯にものを考えるから……そしたら、嫌なことを考えずにすむ」

「……」

 何も考えずに済むか……それって、ようするにそう言うことだよな。

 それからしばらくの間当たり障りのない会話を続けた。好きな本のジャンル、得意なこと、はたまたリラックスできる場所など、全く異世界の話はせず、日常を取り戻すかのようにお互いのことだけを話した。

 アビゲイルと出会ってからこうやって当たり前のような会話していなかった。ホント、忙しい異世界だよ。

 お互いがお互いの距離を確かめ、自分たちの位置をある程度測ることができた。

 アビゲイルは、寝ていたベッドから上体を起こした。

「ねぇ、アサヒ。私の一族。クロスフィールド家は、『悪魔の一族』って言われているのよ」

 だが、それでもアビゲイルは幻想を信じず、確かのものを求めた。

 俺も上体を起こした。

「別にわざわざ言わなくてもいいよ。俺は気にしないから」

 クロスフィールド家、『悪魔の一族』その単語を聞いただけであまりいい話は聞けそうにないことは大方予想がつく。

「ありがとう。でも、聞いてほしいの」

 アビゲイルはひたすらに手を伸ばし、俺の手を掴もうとした。

「クロスフィールド家はね、代々魔術学者の家系でこの国が建国されてからずっと、この国の魔術発展のために研究をして、数々の発明をしてきたこの国で最も偉大な魔術学者の家系なのよ」

「へぇ~それは凄いね……」

 天才の血を継ぐ少女。アビゲイルの天才はこう言うことだったのか。

「そう凄いの……父やお爺様、そして、ご先祖様も、それはもう素晴らしい発明をしてきたの……私には到底敵わない。でもね、クロスフィールド家が発明するものは、この国を豊かにしたけど、同時に多くの人を殺すことにもなったの……」

 アビゲイルはうっすらと笑みを浮かべた。

「例えば『クーディー』……と言ってもアサヒが知るわけないか。『クーディー』は雲でできた乗り物ことで、誰にでも扱えて空飛ぶことができるの。『空飛ぶ車』をイメージしてもいいわ。それは私の父が発明したの」

 そこで顔を俯かせた。

「最初は、交通の便をよくするために開発したのだけど、その『クーディー』はリアリス王国の前国王と王子の暗殺に使われた。誰でもなんて使えてしまうから、簡単に空から奇襲できてしまうのよ」

 飛行機やヘリからの攻撃もそうだが空を守るのは、地上を守るよりもはるかに難しい。元いた世界では、ヘリや飛行機は誰でも乗れるなら、今よりもずいぶんと犯罪が楽になる。

「それだけじゃないわよ。御婆様が開発した『バベル』。巨大な魔力増幅装置で、国家間を繋ぐ『ゲート』には膨大な魔力が必要だから、普通に集めても『ゲート』なんて使いものにならない。でも、『バベル』の完成で『ゲート』がやっと魔術として形になり始めた矢先、国同士で世界規模の戦争が起こったの」

 アビーは、一呼吸置いた。

「戦争末期に当時のリアリス王国は最終兵器として、『バベル』を転用した爆弾を発明したの。それはたった一つで都市を丸ごと破壊できる威力でね、たった一度……一瞬で数万の命を奪ったそうよ……」

 俺のいた世界で言う核兵器……ここまで重なると世間の目は、良いものではないだろう。『悪魔の一族』と呼ばれるのは、納得できてしまった。

「でもねぇ、それでもまだ世間の目はよかった方よ。だって、『バベル』はねぇ、その性質上関わる全てが最重要機密扱いだったから、普通の人は知ること事ができないもの……」

 アビーはベッドの上で膝を抱えてうずくまる。

「だけど、四年前かな。その『バベル』の情報が世間に漏れたの。私もその時知ったのだけど、『バベル』は、数十年前に一度クロスフィールド家が管理する研究所から盗まれていたのよ……事件は、一応犯人が死んだことで解決になってたけど……盗まれたバベルは今も見つかってない……」

 身びいきを入れても正直、ゾッとした。都市を破壊するほどの爆弾が盗まれ、今も見つからない。日常の中で死の恐怖を抱き続けるのは恐ろしくて仕方がない。

「世間はいつだって悪いことばっかり目を向ける。ご先祖がこの国に一体どれほど貢献しているかを知りながら……私の家族は、『悪魔の一族』って指を差し、最後には正義を名乗る集団に殺されたの……」

 アビゲイルの壮絶な過去に彼女の顔を見ることができなかった。

 フワッと肩に重みがかかる。

「アサヒって、いいにおいするのね……」

 アビゲイルが、身体を傾け俺の肩に頭を乗せてきた。

「柔軟剤の匂いかしら」

 俺は、そっと体重をアビゲイルに傾ける。

「そういうアビゲイルは……」

「アビー」

「……そういうアビーは、薬品の匂いがするね」

「嫌い?」

「いや、嫌いじゃないよ」

「……」

 肩にかかる重みが小さくなった。

 アビーは震える声を抑え込んで、小さな声でささやく。

「ねぇ、アサヒ。どうしても元の世界に戻りたい?」

「それは……できることなら戻りたいよ」

「そう……」

 アビゲイルがため息を漏らした。

 そして、下げていた顔をグッと上げ、正面を見つめた。

「あるわよ」

「えっ?」

「帰る方法がまだあるかもしれない」

 それは意外な一言だった。

「それってどういうこと?」

 喉を引き裂くほど、叫んでいた悲鳴が俺の脳には焼き付いている。

「調べていて分かったの。お爺様が作った異世界転移魔術は、ある魔術を基礎としているのよ。元々、この世界には異世界に行く技術はあったと言うべきね。その技術はただものが消えるだけ。その後はどうなっていたかは今まではわからなかった」

「今までは……ってことは」

「そうよ。アサヒがこの世界に来たから、その技術は異世界に行くことができる技術だったのよ。だから、その技術を使えば……もしかしたら、帰れるかもしれない。でも……」

 そこで、アビーは俺の顔を瞳で捉える。

「百パーセント安全とは言えないの。異世界転移魔術の基礎だとしてもかなりお爺様の手が加えられていたから、本当に元の世界に戻れるかわからないし、生きて帰るかも……」

 アビーは大きく瞳を開いた。

「だから、一年ちょうだい。それでどうなるかわからないけど、必ずアサヒを安全に元の世界に帰してみせるから……」

「それなら…」

 俺は、呑まれるような瞳に口を開きかけたが、アビーはベッドから立ち上がった。

「あぁそうだった。私これからカルデおばさんの畑仕事の手伝いがあったの忘れてたわ。アサヒ、後で答えを聞くからよく考えて決めてね」

そのまま扉の方に駆け歩き、ドアノブの手をかけた。

「      」

 アビーは、どこか悲しそうな目で聞こえない声をつぶやき、部屋を出ていった。

一人部屋に取り残された俺は、あまりにも重ぐるしい空気にベッドの上に倒れこんだ。

 何も変わらない天井を眺める。いくら眺めても天井の模様は相変わらず木の温もりに包まれている。

 ふと記憶を呼び起こす。

 アビーによって遮られた俺の答えを心の中でつぶやく。


 『それなら、アビーを信じるよ……』


 俺にとって元の世界に帰ることは一つの目標ともいえる。

「……でもさぁ、あれはズルいよな」

 先ほどの一部始終を何度も脳で再生させると、いつも同じ場面で止まる。

 アビーは、本当に言ったのか、それとも、わざと言ったのか。

「さすがにわざとじゃないか」

 引っかかる単語はただ一つ。


 『生きて帰れるかも……』


 この言い淀んだ言葉の続きは考えるまでもない。

 今の俺には隠れた言葉が重くて仕方がない。

「まぁ、それもそうだよ」

 旧来の技術での異世界転移。

 それは、死後の世界に新天地を望むようなものだ。

 怪しい宗教が新天地を求めて、理解できないような儀式を行う。

 死後に一体どんな楽園が待ち構えているのか……死者の世界の写真が一枚もないだから、誰にもわかるはずもない。

 まともな人間がそんなものに命を預けようと思うはずもない。

 いや……

「これは言い訳だな」

 元の世界には、もちろん帰りたい。

 それも、あんな酷い目に遭ってからより強く感じる。

 退屈だった平和な日常の尊さを……

 でも、森の中であんな大見得を切っておいて、『はい、さよなら』とは、いかないだろうな。

 絶対、後悔するだろうな。

「だからって、俺に何ができるのやら」

 これじゃ、堂々巡りか……

 何も決められず、流されるだけ。

 それが一番、楽だと知っている。

「アビーの気持でもわかればなぁ~」

 それも同じことか。

 結局のところ、どうしようもなくダメな男ってことだな。

「寝るか」

 どうせ、足が動かない俺には何もできないのだから、それしかできないけど……

 ……

 ……

 ……

「はぁ~、そう簡単に寝つけるわけないか」

 無心であればあるほど頭の中でぐるぐると考えてしまう。何か夢中になれることがあればいいだのだが……

 と、言ってもこの立てない足でどうすればいいのか。

 気晴らしに外に出ておいしい空気を胸いっぱいに吸い込むこともできず、暇つぶしにと新聞紙の一枚も取りに行くこともできない。なんとも哀れな子羊、せめて車椅子ぐらい用意してほしいが、ポッと出るほど甘いわけがない。


 ガチャリ


 ドアノブが動いた。

「アビー。どうし……‼‼‼‼」

 顔をドアに向けた瞬間、枕を掴みドアに向かって投げた。

 だが、それを全く異に返さず、流れ込む軍服を着た男。

 男は、手に持った道具を俺に押し付けた。


 バチン。


 意識が掻き切られた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る