僕の、僕だけの眠り姫

 それからというもの、彼女は僕がいないところでも眠れるようになった。

 僕だけの特権が無くなった気分でモヤモヤが残るが、いつでも眠れるようになったのは大きい。

 病は治り、彼女は以前よりも元気な――否、元気すぎる女性に成長した。


 そして、僕たちの結婚が決まるのは、そう未来の話ではない――。





 僕には、目に入れても痛くないほどに可愛い彼女がいた。

 愛咲 夢菜という、とても可愛い、眠ることが大好きで、いつでもどこでも眠ってしまう、僕だけの彼女だった。


「も~、違うでしょ!彼女じゃなくて……、それに、もう愛咲でもないし!」


 ……おっと、夢菜が頬をふくらませて怒ってしまった。

 ということで、テイクツー。


 僕の名前は、伊藤 文弥。

 僕には、伊藤 夢菜という、目に入れても痛くないほどに溺愛する、実に可愛い妻がいる。

 僕の、僕だけの大切な眠り姫だ。

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眠り姫は永遠に眠るのか? 夕闇蒼馬 @Yuyami-souma

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