第731話 一旦お家に帰ろうか? (1)

「嘘よぉっ! 嘘ぉっ! シルフィーさんが私へと告げている事は全部嘘偽りだから信じない。信じられない。だって本当に健太がマゾならば、私達をオーク種族の妻達を置いて、冒険の旅に出るなんて言わないから。全部嘘ぉおおおっ! 嘘偽りよ! シルフィーさんが私に申す事は」と。


 女王アイカはシルフィーの言葉を、説明を聞いてもこの通りだ。


 自身の顔を真っ赤にしながら、首を振り、『違う! 違う!』と、仕草をしてみせる。


 ……だけでない。


「ねぇ、あなた! あなたも私が。王に対して意見を述べない。不満を述べない。何でも『はい、はい』と、返事をするような、素直な妃の方が良いわよね? エリエ、ウルハ、プラウム、ライやレイン達のような妃の方が良いわよね?」と。


 女王アイカはとうとう、自分以外の妻達の名を出して、夫健太へと同意を求め始める、裏技迄使用し始めるのだ。


 だから健太も仕方なく、と言うか?


 彼自身も本当に、女王アイカとシルフィーの二人に、競うように骨抜きにされてしまっている状態だから。




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