第727話 やっぱりやめようか? (1)
「二人とも?」
「……ん? 何、あなたぁ~?」
「うぅん、どうしたの、健太ぁ~?」と。
愛する彼、主、夫である健太の、軟で貧弱な胸に、二人仲良く顔を載せて、幸せ感を漂わせながら甘えていた二人……。
ジャポネの女王シルフィーと此の国の女王アイカなのだが。
二人は、自分達の夫に声をかけられて、顔を上げ、首を傾げる。
「やっぱり僕は、旅に、冒険にでるのをやめようか?」
自分の初めての子供を身籠る二人に対して健太は、急に言葉を返したのだ。
だから女王アイカは、「嘘ぉっ? 本当に、健太?」と、驚愕した声を漏らして。
(やっぱり、私が健太に、しつこいくらい奉公、尽くして正解だったわ。だって健太は急に旅、冒険に出るのを躊躇いだしたから)と。
女王アイカは自身の脳内で、嬉しそうに思うのだ。
(ふっ、ふふっ。やり! 私の大勝利! 私の想いは叶った! これで私は、寂しい思いをしなくて済む)
とも嬉しそうに思うのだが。
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