第726話 健太の初めての子供? (4)

「……アイカさんのその顔を見る限りでは、わたくとこのひととの間の子は、誰だか気がついてはいるみたいに見えるけれど。わたくとこのひと。この年齢の山田健太の子供は、わたくの今この中。お腹にいる子供だけよ」と。


 シルフィーはまた「くすくす」と薄ら笑いを漏らしながら、アイカへと説明。


 その後は、また健太の頬や首筋へと、愛おしそうにキスをして甘えてみせるのだ。


「ねぇ、あなた~」


 と、甘え声色を漏らしながら。


「えっ? シルフィーもできたの? 僕の子供が?」


 と、健太は今更のようにシルフィーへと問えば。


「当たり前ですよ~。あなたぁ~。避妊道具を使用していないのに、できるのに決まっているでしょう~。わたくとあなたは、本当に相性がいいのですから~。(くすくす)」と。


 シルフィーが微笑を漏らしながら告げれば。


「えっ? そうなんだ?」


「は~い。そうですよ。あなた~。嬉しい?」


 シルフィーが嬉しそうに尋ねれば健太は。


「うん」と、素直に頷く。


 でっ、頷き終えれば、自身の頬や首筋に唇を這わすシルフィーの濡れ、艶やかに輝く唇へと自身の唇を重ね。


 健太とシルフィーの二人は、気を荒くしながら不満を漏らし、足止め。


 健太の旅を、冒険を、諦めさせよと画策しているアイカの面前で平然と愛をまた深め、堪能をし始めるのだ。


 だから女王アイカの顔は真っ赤!


 それこそ、お猿さんのように真っ赤になりながら。


「あなた達二人はぁあああっ! いい加減にしないとぉおおおっ!」


『キッ、キッ』と、お猿さんのように叫ぶのだった。



 ◇◇◇

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