第722話 女王アイカの抵抗……(2)

 だから彼も、リザレクションで蘇り目覚めてから、自身の脳裏で何度も。


(どうしよう?)


 と、呟いてきたのだ。


 だが。


 彼の、緑色の肌を持つ女神、妃、妻が、快く、『うん』と、頷いてくれない。


 自身の妖艶、官能的な、女盛りの肢体を武器にしてでも、夫の無謀過ぎる旅立ちを拒否してみせる。


「嫌よ。駄目よ。健太……。いくら、あなたが、自身の脳内で思い。呟いてみせても絶対に私は、妻としていかせない。……それに? あの娘(こ)達はどうするの? 皆あなたが旅立ち、いなくなれば悲しむ。中には病に侵される者もでるかも知れない。それでもあなたは、私達妻を置いて行くの?」と。


 女神化して、自身の夫、健太の考える事、思考が直ぐにわかる、理解ができるようになった女王アイカは、俯き、自身から目を逸らす主へと、怪訝な表情へと移り変わりながら耳元で不満を漏らす。


 でも、直ぐに、艶やかな表情へと移り変わり。


 健太の耳へと甘噛みしながら甘え、また女の身体を武器にして、夫の旅立ちたい気持ちを変えようと試み、抵抗を始めるのだった。



 ◇◇◇


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