第721話 女王アイカの抵抗……(1)
「健太、行かないで、お願いだから」
自身の主の肩に頭を乗せ、しな垂れかかり甘えながら、女王アイカは、この場にきて何度目になるだろうかわからない程の拒否と嘆願を漏らす。
でも、彼女の主さまは、未だ好奇心旺盛な少年だから。
「えっ、でも、僕は……」
健太は自身の妃の嘆願を聞いてもこの通りだ。
自身の頭を下げ俯き、女王アイカから視線を逸らし逃げる。
(……うぅ、何てアイカさんに説明をしたら快く、旅ださせてくれるのだろうか?)と。
健太は脳裏で思いながら視線を逸らし。
自身の妃の潤んだ紅の瞳から逃げようと試みる。
だって健太は、この世界にきてから、彼の夢を叶える為の行動を実行していな状態……。
そう。彼、健太がこの世界へときた目的は、自身が幼い頃から楽しく視聴してきたアニメ、映画。
そして自身の気持ちを高ぶらせながら、ワクワクして見て、読んできた漫画、児童文庫、ライトノベル等に出演をするヒーロー達みたいな、ハラハラ、ドキドキ、スペクタルな冒険をしていく事……。
幼い頃から、自身の妃である女神シルフィーへと楽しそうに告げてきた言葉。
『僕もあんなヒーロー達のような、素晴らしい冒険ができたらいいなぁ』と。
健太は、自身と仲良く肩を並べ、視聴している。
見て読んでいた妃のシルフィーと告げてきた事を、実行をしていないのだ。
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