第707話 健太憤怒!(8)
女王アイカは自身の目を大きく開けながら、だけではない。動揺、困惑。自身の顔色、形相をクルクル変えながら。夫健太へと問うのだ。許してくれた筈なのに、意味が解らないと。
でも、当の本人である健太は、アイカの慌てふためいた様子、声色での問いかけを聞いても。これといって彼自身が困惑、動揺、悩む、顔色を変える訳でもなく。
いつもの日輪。御日様のような笑みを浮かべ漏らす健太少年のままの様子、状態でね。
「うん、そうだよ。もう僕は、アイカに対して怒ってもいないし。恨んでもいない。だから先程僕がアイカに告げた離婚は取り消しにしたけれど。それがどうかしたの、アイカ?」と。
全くこの男、少年、健太は、全く気にもしていない。罪悪感も無い様子で、平然と女王アイカへと告げてきたのだ。今の今、彼は妻二人に対してサヨウナラ。別れを告げてきた筈なのに素知らぬ振りをする。
だから今度は女王アイカが自身の瞳をウルウルと潤ませ始めるのだ。
そして、自身の横で、相変わらず泣きながら、しおらしく反省をしているシルフィーへと視線を変え。
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