第704話 健太憤怒!(5)

 しかし、健太は『NO』だ! 『ノー』なのだ!


 自身の目の前で正座をしながら萎縮している妻二人の前で、いつもの健太君らしくない振る舞い、って。シルフィーの自主的な正座と反省の慣れた様子、仕草を見ていたが。彼の永遠の妻であるシルフィーに対しての振る舞い。接し方はいつも遠慮のない荒々しいものなのかも知れない。


 だって健太自身も二人の妻の様子を仁王立ちで『フン!』、『フン!』鼻息荒くしながら立ち。見下ろしている状態の上に、女王アイカの不満。自分は関係ない。ないことだから。叱るなら。自分自身の横で『シクシク』泣く。別の世界の自分自身と、この世界の健太ことウォンの二人……。



 一族、他人を巻き込んで、戦を始めた。終わらせた。二人だけを叱った欲しいと心から思い願うし。呟きたいのだが。


 本当に怒った時、憤怒した時、怒りをあらわにしている時の、自身の夫健太は、頑固一徹。誰の話しにも耳を傾けようとしないところがあるのは、今迄同じ屋根のしたで、夫婦として暮らしていた女王アイカ。妻の日本名愛華にはわかる。悟っているから。不満を呟くこともできないし。


 いつもの女王アイカ。サディスト的な女王アイカに戻れば、夫の健太から『離婚だ! わかったな! 愛華! ほらぁ!』と。本格的に離婚届を提出される可能性が大だから。夫が怖くて仕方がないので不満。悪態をつくことができない。浮気、不倫をした。NTRをされたアイカだから大人しくしているしかないのだ。


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