第701話 健太憤怒!(2)
そんな荒らしい様子の健太の背を追いかけるように、女王アイカがついていくのだ。
「ちょっと。あなた。嫌がる。シルフィー。シルフィーさんを離してあげて。解放をしてあげて、あなた。お願い。お願いだから」
女王アイカは憤怒、憤慨しながら足早に移動する健太の背に向けて。これまたいつもの勇んだ凛々しく気丈な彼女らしくない振る舞いである。気弱、弱々しい様子、声音で。多分未だ、女王アイカが離婚届けに印鑑を押していないので。離婚は成立し終えていないから。彼女の夫である健太に、同じ妻、妃であるシルフィーのことを許し、手を離して、解放をして欲しいと嘆願をするのだが。
「うるさい。うるさい。お前達二人は、少し黙れぇえええっ! 黙るんだぁあああっ! 大人しくついてこい。二人ともぉおおおっ!」と。
いつのまにか、女王アイカも夫の逆鱗に触れてしまった状態へと陥っているようで。健太から荒々しく、自分についてこいと下知を下される。
「えっ? あっ、はい。分りました。あなた……」
女王アイカは女神シルフィーとは違い。夫の健太に対して、俯き、気落ち。ショボンとした様子ではあるのだが。夫の背に素直についていくのだ。
これ以上健太を怒らせ、憤怒させてしまって、異世界日本から離婚届けを持ってこられて、己の面前に叩きつけられたくはないから素直に、夫に従い。重い足取りではあるのだがついていくのが。先程迄の、三人の家族、夫婦の様子だった。
でっ、今の三人の夫婦の様子はと言うと?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます