第700話 健太憤怒!(1)

「きゃぁあああっ! 痛い、痛いから辞めて。辞めてよ。あなた。酷いことを私(わたくし)に。私(わたくし)に対してしないでください。あなた。あなた、お願いだから」と。


 シルフィーの絶叫が聞こえてきたのだよ。先程、こんな感じ、様子でね。自身の主、夫である健太から大変に酷い仕打ち……。


 いつもの日輪のように、自身の白い歯を『キラリン』と、光輝かせながら微笑んでいる彼からは、想像もできないような酷い仕打ち。まさにDV【ドメスティック・バイオレンス】と、までは言わないが。


 まあ、いつもの健太らしくない振る舞い。太々しい様子で振る舞い佇み。悪態をつく。ついてくる。自身の妻。シルフィーの細くて華奢な手首を力強く握り。強引に引っ張る。


 それも、「いや。やめて。お願い。あなた。私(わたくし)に酷いこと。行為をしないで」と。何度も絶叫を吐く。放ち。嫌がり。拒否をしてみせるジャポネの女王シルフィーに対して、主。夫。男王らしい振る舞いで力強く、強引──。妻シルフィーを引きずるように引っ張りながら移動──。


 彼が、健太が、何処に行きたいのか、傍から。遠目から。健太の様子を凝視してもよくはわからないけれど。嫌がるシルフィーの華奢な手首を握り移動──。





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