第660話 予期せぬ事?(9)
「お、お母さまどうしたのですか?」と。
自分自身に一番良く似ていると一族、子供達……だけではなく。別の世界の主、夫である壮年仕様の健太からもよく言われる。告げられる。プラウムに。動揺、困惑をしながら訊ね、問われるシルフィーなのだが。彼女の雪のような真っ白い肌の色が他人。誰が凝視してもわかる。理解ができるほどシルフィーは、己の顔色を青く染めながら動揺、困惑……だけではない。
シルフィーは泣き崩れている己の身体を震わせながら錯乱、泣き叫ぶのだ。
「あなたぁあああっ! あなたぁあああっ!」とね。
それも、自身の顔を、己の華奢な掌で覆い隠すように。
「うわぁあああん! うわぁあああっ! あなたぁあああっ!」と。
幼子のように泣き叫び続けるからプラウムは、だけでない。この場にいる者達……。
姉のプラウムの背を追うように、下の階へと繋がっている階段へと向かう身体を反転させて、自身の母の許へと急ぎ足で駆け寄る。
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