第655話 予期せぬ事?(4)

「お母さま」


「母上」


「ん? 何ですか?」


「あのひとを……」


「け、健ちゃん……。いや、あの、パパを……。サラのパパを探索しなくていいですか……。母上は……」と。


 慌てふためいた甲高い声音と、気落ち落胆をした声音の、娘二人に健太の探索をしなくてもよいのかと、尋ね問われても。


「……ん? うぅ~ん」と、思案。物思いに耽る様子を娘二人や、その他の子達……。健太の数いる子達の前で玉座に座りながら物思いに耽る様子を続けるのみでね。


 シルフィー自身は、いつまで経っても重い腰を上げ、行動を。探索部隊を派遣しようとはしないのだ。


 だから健太の妻でもあるプラウムとサラは我慢が。自ら耐え忍べなくなり。


「領地に戻って自軍を引き連れ、あのひとを探索してきます……。では、お母さま」と。


 プラウム姫さまは、自身の母であるシルフィーに対して一礼、会釈をして、その場を立ち去ろうと試みると。それに続くようにサラ姫さまも。


「サラもパパのことを探索、連れ戻しに行ってきます」と。


 大変に不満、不服のある顔で、この場、謁見間を立ち去ろうと試みるのだが。


「あのひとの事は放って起きなさい。放置していればいい。分りましたか? 二人とも?」と。





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