第653話 予期せぬ事?(2)
また、そんな彼の逃走を計る様子を凝視すればわかる通りだ。彼、健太は、己の大事だった筈の、此の国の妻達に対して、完全に呆れ返っているし。妻達に対しての想いも完全に薄れ、『もう、彼女達はいらない』、『関わりも持ちたくない』、『欲しい人がいればあげるよ。アイカさんみたいに……』と。まさに『クズ男』のようなことを彼は思いながら逃走を計っているようだから。
彼の、健太の、自称妻、妃達や、エリエ、ウルハの両領主も血眼、血相……。
そう、自身の両目、アイカ一族だけしか持たぬ、紅の瞳を潤ませ、粒を流しながら。
「あんたぁあああっ!」
「御方ぁあああっ!」
「何処ぉおおおっ?」
「何処にいる、のだぁあああっ?」
「あんたぁあああっ!」
「御方ぁあああっ?」と。
大変に悲しい声音で叫びながら探索をしなければいのに、健太の妻達はね。彼、彼女達の白馬の王子さまは、此の国の女王アイカとジャポネの女王シルフィーが、自分自身へとしてきた悪態行為に対して、己の妻達は、皆二人の女王さまのような女達……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます