第651話 逃走?(12)
でもさ? 本当に二国……。いや、三国の王。皇帝陛下だと健太自身が思うのならば、己の国である。此の国を、自分のその場の勢いと感情。嫉妬心だけで捨てる。捨て逃げ、逃走をするのはどうかと思うのだが? 違うのだろうか?
特に健太のような入り婿の王は、彼の産まれ育った世界の歴史を遡ってみても、嫁、妻、妃のする悪態行為や淫ら、ふしだらな行為、行動。傍若無人な行動に対して素知らぬ振りをしながら。自国の安定を図っている王が多いいような気がするのだが?
まあ、その辺りは、彼の永遠の妻、妃である。シルフィーが苦笑を浮かべながら言葉を漏らす通りで。
「あのひとは子供だから」と。
「あのひとは、本当にどうしようもない程、甘えん坊で、我儘だから……」と。
彼女が苦笑を浮かべ漏らしながら呟いた通りだと思う。思うから。健太は一人でやっていく……。
そう、一人で血の滲むような努力をして、しながら。子供から大人になっていく過程で、再起を計るしかないかなと?
また走り、逃走を始めだした健太の背を凝視しながら思うのだった。
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