第625話 ウォンの誤算……(19)

 だからオーク最強の漢戦士ウォンとの初めての対峙──!


 そう、此の国の町、集落内で起きた国が、町が、集落を女王アイカの祖先が、この地に創立、起こしてから始まっていらいの男王が他界をする大惨事である。『ウルハ』を賭けた! 守った! 守護をした! あのひ弱で、貧相、貧弱、気弱な健太が。あの、オーク種族最強の漢と対峙、己の命をかけ果敢に戦い。争った時のように健太は、いくら苛められ子だとしても。彼女、妻、妃の為ならば、健太は己の命をかけてまでも争うことができる男の子なのだ。本当ならば。


 でも女王アイカとの決別の時は……。


 まあ、彼女の時は健太自身も仕方がない。ないか?



 今は後悔して泣き崩れて、シルフィーとの戦では、一騎当千の彼女も、健太への想い。後悔の念で、気が触れたように泣きに泣いているから使い物にならないと。ウォン自身が嘆くほど。健太との別れ、離別、離婚、夫に捨てられたことに対して後悔をして泣き崩れている女王アイカなのだが。あの時は健太以外のオス、漢であるウォンの背に隠れ。健太から自分を守れと無言の台詞をウォンにしたのだから。健太自身も己の命を投じてまでもアイカを守り。取り戻そうと思う強い気持ちは無いに等しい状態だったから。あっさりとウォンにアイカを託して、二人の前から消え、此の国を捨て何処かに旅立った。

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