第624話 ウォンの誤算……(18)

 健太はこんな気丈な言葉と台詞を吐きながら。


「嫌だ! 嫌だ! シルフィーは、僕の! 僕だけの物だ! 僕だけの物なのだ! だから……」、


「君達!」、


「お前達!」、


「お前等のような奴には絶対にわたさない……」と。


 でも、健太を取り囲んでいる、ならず者達は、此の国のオークの漢戦士達のように、彼のひ弱で貧弱、華奢な身体をサンドバッグか、サッカーボール蹴るかの如く。


〈ドン!〉


〈ガン!〉と。


 更に打撃を加えてくる。


 だから健太の口からは悲痛な声音での叫びが。


「うぐ、うご、うげぇ。げぇ、ううう……。い、痛い。痛いよ……。でも僕は、僕はぁあああ~。シルフィーの彼氏! 主! 夫!なのだからぁあああ~。絶対に貴方達。君達……。いや、お前達にシルフィーは絶対にわたさない! わたさないからなぁあああ~!」


 健太はこのように、いくら悲痛な叫びを放つ。漏らそうが。最後にはいつもシルフィーは自分の大事な宝、かけがえのない財産……、そして妻だから絶対にならず者達には渡さないぞ! と気丈な姿勢、振る舞いを魅せて、シルフィーを守り続けたのだ。




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